東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、警視庁は20日、静岡県裾野市、元派遣社員加藤智大(とも・ひろ)容疑者(25)を殺人容疑で再逮捕した。「人生のうっぷんのようなものが出てきてしまい、嫌になって事件を起こした」「たくさんの人を殺してやろうと考え、無差別に前から来る人を刺していった」と供述しているという。
加藤容疑者は事件に至る経緯について、「現実の世界でもネットの世界でも孤独になった。ネットの世界の人間に自分の存在を気付かせてやろうと事件を考え、どうせやるなら大きな事件と考えた」と話しているという。
加藤容疑者は事件当日、携帯サイトの掲示板に秋葉原へ向かう様子を書き続けたが、反応がなかった。秋葉原到着後、周辺をトラックで走り、事件約20分前に「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います」と書き込んだ。これで「もう引き下がれないと感じて、やった」と供述しているという。
日常的な掲示板の書き込みについては、「現実の世界では嫌なことがあっても人に言えない。現実の世界から逃げてネットの世界にのめり込んだ。誰でもいいからかまってほしかった」と話している。掲示板への書き込みは2、3年前から始めたという。
再逮捕の容疑は、加藤容疑者が8日午後0時半すぎ、秋葉原・電気街の交差点にレンタカーの2トントラックで進入し、3人をはねて死亡させたうえ、車から降り、交差点や付近の路上でダガーナイフ(全長約23センチ)で刺し、4人を失血死させたというもの。トラックを降りてから取り押さえられるまで1〜2分で、約200メートル弱走ったという。
死亡したのは、千葉県流山市、大学生川口隆裕さん(19)▽埼玉県熊谷市、同藤野和倫さん(19)▽東京都杉並区、無職中村勝彦さん(74)▽北区、大学生武藤舞さん(21)▽板橋区、無職小岩和弘さん(47)▽神奈川県厚木市、調理師松井満さん(33)▽埼玉県蕨市、会社員宮本直樹さん(31)。
ほかに重軽傷者は10人。加藤容疑者は、うち重傷の女性(24)に対する殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されていた。東京地検は20日、この容疑については処分保留とした。
東京地検は、加藤容疑者の精神鑑定を行う方針だ。