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99年下関駅無差別殺傷、上部被告の死刑確定へ

2008年7月11日15時39分

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 山口県のJR下関駅で99年に5人が死亡、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件で、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は11日、殺人などの罪に問われて一、二審とも死刑とされた元運送業・上部(うわべ)康明被告(44)の上告を棄却する判決を言い渡した。上部被告の死刑が確定する。

 公判では、犯行時の被告に刑事責任能力があったかが争点だったが、第二小法廷は「心神喪失または心神耗弱の状態にはなかった」とする二審・広島高裁の判断は相当だと述べた。

 判決によると、上部被告は99年9月29日夕、レンタカーで下関駅構内に突入。通行人らをはねたうえ、車から降りてホームに駆け上がり、包丁で乗降客らに切りつけた。

 動機について第二小法廷は「将来に失望して自暴自棄となり、自分をそのような状況に陥れたのは社会や両親だとして、衝撃を与えるために無差別大量殺人を企てた」と指摘。確定的な殺意をもって5人の生命を奪ったという結果の重大性や、「通り魔的な大量殺人」として社会に与えた衝撃、遺族の処罰感情の強さなどを考慮すると、死刑もやむを得ないと結論づけた。

 一審段階で2回実施された精神鑑定では、「妄想性障害の状態で心神耗弱にあたる」という意見と、「著しい障害があったとはいえない」という意見に分かれた。二審段階で改めてもう一度、精神鑑定がされ、「軽度の対人恐怖症で被害妄想もあったが、犯行に直接関係していない」と事実上、責任能力を認めた。

 上告審で弁護側は、東京・秋葉原で6月に起きた無差別殺傷事件との類似性に言及。「秋葉原では容疑者にためらいや良心のとがめがあったようだが、上部被告にはなかった」と弁論で述べ、上部被告に責任能力はなく、無罪だとする主張を繰り返した。(岩田清隆)

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