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海を越えるアスリート

ヘルシンキで「世界一」に 高岡


高岡寿成の写真
高岡寿成

 強い女子の影に隠れがちだった日本の男子マラソンが、8月の世界選手権では注目を集める。「速いが勝てない」。そんな不名誉な称号を振り払って、日本記録を持つ高岡寿成(カネボウ)がヘルシンキの舞台に臨むからだ。

 代表選考会だった2月の東京国際マラソンは1キロ2分58秒〜3分設定でスタート。だが10キロ付近で早くもペースメーカーが先導しきれず、失速。高岡は20キロ過ぎでこれを見切って前へ。「東京名物」の35キロ付近からの上りもこなし、独走で、日本選手の同大会最高タイムを更新。マラソン5戦目での初優勝だった。

 「世界選手権ではぶっちぎりで勝ちたい。僕には世界一に挑戦する数少ないチャンスだから」

 ためた思いがある。

 3000、5000、1万メートルの日本記録保持者でもある。トラックで十分にスピードを磨き、01年12月福岡国際でマラソンデビュー。当時、周囲からは31歳という年齢に不安の声もあったが、翌年シカゴで2時間6分16秒の日本記録を樹立。

 久々に現れた男子マラソン界の救世主とみられたが、アテネ五輪代表をかけた03年12月福岡国際マラソンで泣く。2時間7分台も、勝負に敗れて3位。「競技人生の中で一番と位置づけていた」マラソンでの五輪代表をつかみ損ねた。

 「これ以上の苦しみはないと、あの(五輪選考会の)プレッシャーは教えてくれた」

 五輪を失って、次の照準をどこに定めるか。相当に悩んだという。記録狙いの選択もあったが、いきついた答えは「世界一への挑戦」だった。

 「勝ちたいという思いが、ぼくのマラソンの出発点。それをアテネではなくても、ヘルシンキでかなえたい」。マラソンでは初めての日の丸をつけて、34歳が1年越しの夢を追う。



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