(9日、広島3―2中日)
中日1点リードの8回2死三塁。目の前に飛んできた高く、緩いゴロに、一塁手のウッズはくるりと背を向け、逃げるように一塁ベースカバーに向かった。
必死に追いついた荒木のグラブからボールがこぼれる。同点。失策の記録は荒木についたが、どう見てもウッズの守備範囲。普段から自分で捕れる打球の処理やベースカバーを他人に任せがちとはいえ、ここは中日唯一の勝ちパターン「リードして岩瀬」につなげる重要な場面だった。
それを主砲が責任逃れの怠慢プレーでぶち壊し。試合の流れは9回のサヨナラへと自然に動いた。自力優勝の可能性は、自らの手で消したにも等しい。
この日は井端を2番に上げ、ほぼ開幕時に戻ったベストオーダーを組んだが、1〜3番は一度も出塁できず、チャンスのきっかけも作れない。5回以降は広島の継投の前に無安打1四球8三振と、完全に沈黙した。それでも救援の長峰、高橋が無失点で最少リードを守り抜き、中日本来の野球で連敗を脱出する形を作れていたのに。「それが現実。もう一度頭の中を整理するしかない」。落合監督のかすれ声が、スタンドの怒声にかき消された。
今季2度目の4連敗。甲子園が雨天中止で順位の変動はなかったが、一つ確かなことがある。阪神、巨人、広島とここ8試合を戦って1勝7敗。今の中日に、Aクラスの力はない。(渡辺崇)
●佐藤充(中) 約2年ぶりの白星ならず。「もう少し低めに投げられれば勝負になると思うのですが……」
●小林(中) 9回に救援したが、サヨナラ打を浴びる。力無く「次、頑張ります」。