(7日、阪神3―2ソフトバンク)
指揮官の戦略眼と、期待を裏切らない選手。阪神の強さが詰まった試合だった。
2回2死一、三塁。阪神の岡田監督は、直前に2点を失っていた今季初先発の能見に早々と代打を送る。先発では今季最短の交代。実はそのころには、ブルペンで2番手・江草の準備が整っていた。「相手は(1度も勝てていない)杉内だから、こっちが失点を何点に抑えるかという展開。みんなでかからんと、攻略できん」と岡田監督。
期待を背に登板した江草は3、4回をピシャリ。5回には2四球などで2死満塁としたが、最後は得意のフォークで二飛に仕留める。ここまで21試合で4失点の左腕は今季自己最長の3イニングに「ゼロに抑えられて良かった。それが中継ぎの仕事だから」
江草の勢いを引き継いだのは、3年目の右腕・渡辺。スライダーとチェンジアップを武器に、緩急をつけた投球で6、7回を被安打1。安打を浴びても、得点圏に走者を進められても淡々と投げ込む姿に、久保コーチも「直球も変化球も相当のレベル。落ち着いているから、使う側が不安を感じない」と賛辞を送る。
1点も失えない展開で2人が踏ん張れば、打線も7回に代打・浅井が杉内から同点の三塁打。ウィリアムスと藤川の零封リレーが、新井のサヨナラ打を呼び込んだ。
これまで屈服してきた杉内の個の力に、チーム力で挑みかかった。そしてつかんだ白星は、故障で先発の柱が欠ける阪神にとって大きな意味を持つ。(松沢憲司)