(11日、阪神2―1広島)
縦じまが集まった一塁ベース付近で、阪神の関本が夜空に向かって両腕をVの字につきだした。苦しみ抜いて手にした1勝。いぶし銀の男を中心に、歓喜の輪が広がった。
同点の延長11回、2死一、三塁。最高潮に達した甲子園の声援を背に関本が振ったバットは、高めのスライダーをきっちり捕らえる。鋭い打球が、左翼前に落ちた。
その前の打席は9回1死三塁。外野フライでもサヨナラ勝ちという好機で、遊ゴロという最悪の結果に終わっていた。「今日は必死。あそこでショボい打撃をしたから、どうしても打ちたかった」
1点が重い試合だった。緩急の効いた広島の先発・前田健に、10試合連続2けた安打の打線が、7回途中まで6安打に抑えられた。「打てる雰囲気がない。こうなったら、しのぎ合い」。岡田監督の腹は早くから決まっていた。
制球が甘くなると見るや、6回1失点のボーグルソンを下げて、渡辺、JFKを惜しみなくつぎ込んだ。8回無死二塁では、5番の葛城に送りバントのサインを送った。ファウルだったが、二ゴロで走者を三塁に進め、犠飛で1点をもぎ取って追いついた。
そして、今季6度目のサヨナラ劇。1点へのこだわりを見せた指揮官の采配が、しっかり実を結んだ。「苦しいゲームをとったのは大きい」。監督も満足感をにじませた。
連勝が7で止まった前夜のムードは引きずらない。独走する虎は、12日も勝てば、早くも優勝マジックを点灯させる。(松沢憲司)
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○高橋光(神) 8回に同点犠飛。「トリ(鳥谷)が(前の打席で)四球を選んでくれたから、何とかしたい気持ちが強かった」
○ボーグルソン(神) 6回1失点と好投。「今日は全部よかった。白星がつかなくても、チームが勝てばそれでいい」