今季初勝利をあげた西武の西口=長沢幹城撮影
(15日、西武10―3ソフトバンク)
少年のように無邪気な笑みを浮かべる35歳、西口の口元にはうっすら、ひげが伸びていた。「面倒くさいし、いいや、そらなくてと思ってね。流れを変えたかった?うん、そうだね」。開幕から2カ月近く。今季6試合目の登板でようやく手にした初勝利は通算152勝目になった。
決意を胸に迎えたシーズンだ。2年続けて9勝どまりに終わり、いつもは年明けの初練習を、14年目で初めて年末から始めた。2軍でのマイペース調整を選んできたキャンプインも、5年ぶりに1軍で迎えた。しかし、開幕してから不調が続き、焦りにつながった。「勝っていないから、どうしても力が入ってしまう」
中11日で迎えたこの日のマウンドもそうだった。制球が身上の右腕が、走者を背負った肝心な場面で高めに浮く。4回、長谷川に2ランを浴び、せっかくのリードをフイにした。大久保打撃コーチが円陣で奮起を促したのは、5回の攻撃前のことだった。
「みんなが(西武に)入ってきたころ、オツ(西口)に何度も助けてもらったんじゃないか。恩返しする番だ」
勝ち越してからの西口は、本来の投球を取り戻した。スライダー、カーブを低めに集め、7回に降板するまで安打を許さなかった。
「打線がほんと、頼もしい。一つ勝てて、乗って行ければ最高です」。西武の投手陣最年長が、チームの勢いに追いついた。(八鍬耕造)