(1日、広島3―2横浜)
地元ファンの大歓声の中を、かみしめるように広島の栗原がゆっくりとダイヤモンドを回る。
「みんな、あれ(本塁打)しか期待してないですからねえ。たくさんの方が来てくれて、そこでいいところを見せられた。ほんとホッとしてますよ」。うれしそうに振り返った一打は、同点アーチ。1点を追いかける4回1死。横浜先発のウッドのスライダーを完璧(かんぺき)にとらえた。
山形県天童市出身。この日の球場は日大山形高時代に何度もプレーした思い出がつまった場所。場外本塁打を放ったこともあった。
4年前、プロとして初めて地元に戻っての試合は6番。その時は2試合無安打で3三振に終わった。あの時、何も出来なかった悔しい思い。それだけに、この日にかける思いは強かった。「本当にプレッシャーでした。すごい応援でしたし、普段あんなのないですからね」
ブラウン監督も粋な計らいをしてくれた。前日、仙台市内に宿泊するチームとは別に、実家に泊まることを許された。久しぶりに家族とともに過ごした一夜。監督の思いにも、こたえたかった。
1打席目に左前安打を放ち、1点目の本塁を踏むと、最終打席の9回も安打を放ち3安打。母親、そして地元の人が観戦する前で、4年前より一回りもたくましくなったところを見せた4番の活躍で広島が昨年5月27日以来の勝率5割まで、あと一歩のところに近づいた。(吉原大介)