(11日、日本ハム3―2ソフトバンク)
この日のダルビッシュのテーマは「緩急」。多彩な変化球を持つ右腕はスローカーブを頼りにした。
「ひじに負担がないし、打者は面白いように空振りしてくれる。好きですね」
カーブの球速は110キロそこそこ。150キロを超える真っすぐがあるから、40キロ近いスピード差が生きてくる。
驚かされたのは6回だ。1点を奪われ、なおも1死一、三塁。松田を追い込むと、中指と人さし指で白球をひねる。山なりの球道で相手の体勢を崩して二飛に。スタートを切っていた一塁走者もアウトにして切り抜けた。
遅いボールを投げるのは勇気がいるものだが、ダルビッシュは違う。「怖さ? 全くないですね。打たれないと思っている」。自信満々だ。
吉井投手コーチは「今中にはまだ負けるけど、カーブと直球の腕の振りが同じでうまい」。90年代、中日で活躍した左腕エースを例えに出して成長ぶりをたたえた。
チームの連敗を3で止め、完投して勝つのは4月18日以来。これで3年連続の2けた勝利。昨年より1カ月近く早い達成だ。
盛夏の北京で日の丸を背負うエースはいう。「(8月は)1カ月はいないんで早く到達できるのはいいこと。気持ちも楽になる。夏はオレの季節。しんどいけど気持ちは燃えてくる」。その言葉通り、ダルビッシュは06年から7、8月は1度も負けてない。(笠井正基)