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戦士のほっとタイム 舞の海
 
青木治親(オートレーサー) 元王者、オートに新風

「ロードでもオートでもトップでゴールする瞬間が一番スカッとする」=佐藤慈子撮影
「ロードでもオートでもトップでゴールする瞬間が一番スカッとする」=佐藤慈子撮影

 「ずっとレーサーでいたい」。オートバイの世界ロード元王者が思い切った転身。新人として新たな頂点に向けて歩き始めました。

 ――同じオートバイですが、オートレース用とロードレース用ってどんな違いがあるんですか?

 ロードは各メーカーがこぞって技術開発をして、競い合っているんですけど、オートは全員同じバイクで同じタイヤでという、平等な条件のもとで走るんです。

 ――腕前が試されますね。

 そうですね。ロードはライダー、メカニックと役割分担があるけど、オートはガソリンも自分で入れなくちゃいけないし、タイヤ交換も。自分一人の責任なので、負けた時も納得がいきますね。

 ――ロードレースには莫大(ばくだい)な資金が必要とか。

 優勝するには5億、6億、10億円とかけていかないと。かけていけば、いいものがそろい、練習もできる。だから、スポンサーを持っている方が強い。ひと昔前までは、安い車でも頑張れば表彰台に上がれたんですけど、最近はその差が開いていっちゃって。

 ――技術に自信があってもスポンサーに恵まれない時なんか、やけにならなかったですか?

 ストレスがたまる時期もありました。契約金がなくてもいいマシンが欲しかった。そんな時オートレースを知った。オートは速い人が稼げる。全部が明快なんです。

 ――転向に不安は?

 まだロードレースでも走れる年齢ですし、契約してくれるチームはあったけど、多少性能のよくないマシンで走るような環境にすごい疲れた。でも、(オートレース受験の)願書を出すまではすごく迷いました。

 ――踏み出せたのは?

 (ロードを)引退したら監督業でも、と考えていたけど、もっと競い合いたかったので、40、50歳になってもやっていけるオートっていいなって思ったんです。

 ――普通、スポーツって年齢とともに衰えていくものなのに。

 オートでは60歳前後の方もかなり勝っています。(オートの)楕円(だえん)形のコースってぐるぐる回るので簡単そうに見えるけど、奥がすごく深く、経験がものをいうんです。

 ――それでも、お父さんはロードでの活躍を夢見て、支えてくれてきたんじゃないですか。

 兄弟3人(長兄宣篤〈のぶあつ〉、次兄拓磨〈たくま〉)にポケットバイクを買い、毎週サーキットに連れてってくれました。知らず知らずのうちに世界まで出してくれた。3人そろって走って、世界王者になるのが一番の夢だったと思う。だから、絶対反対されると思ったので相談しなかった。でも、願書を出すぐらいの時に新聞に「青木治親、オートレースに転身」とデカデカと出ちゃって。

 ――その時は怒ったんですか?

 自分の気持ちをすべてぶつけたら、「ハルがそう言うんだったらやってもいいんじゃない」。おやじもスポンサーの面とかも分かってくれていたので。

 ――オートで大切なのは?

 スタートですね。1分50秒でレースが終わるので、一つのミスが命取りになります。

 ――ロードは40〜50分間、走り続けますよね。

 だから「1分50秒なら楽でしょう」と言われるんですけど、けっこうつらい。力が抜けないんですよ。コースでは、ほとんどふくらんでまた(コーナーに)入っていく感じで常に回っている。それとブレーキがないんで……。

 ――エッ、じゃあ止まる時は?

 エンジンブレーキでなんとか。ロードで抜くのはブレーキングのテクニックを生かしていた。今まで一番得意だったブレーキングがなくなり、少し戸惑ってます。

 ――オートの世界って、先輩後輩の上下関係ってないんですか?

 強いですよ。自分は29期生で、28期生は全員年下ですけど、普通に「ハルチカ」って呼ばれて。自分は「さん」付けで。でも、覚悟して入りましたからね。今までのプライドを全部捨てていかなきゃいけないなって。

 ――今までロードからオートに転向っていう人は?

 いません、初めてですね。

 ――そうすると両者の懸け橋を作るというか、責任重大ですね。

 重責ですね。でも、本人は結構あっけらかんとしている。ただ好きで乗っているだけなんで。

 ――日本チャンピオンにはいつごろなれるでしょう。

 新人の時は500CCで、ベテランは600CCで走っているんです。600CCに乗れるのが2年半後くらいなので、それまでは一歩ずつ基礎を固めていきたい。

 ――話を聞くと、新しいことに挑戦しているって感じ。今度、ぜひオートを見に行きたいです。

 川口(埼玉)で走っているんでぜひ足を延ばして下さい。

◇ロードの悔しさ 心の奥にしまう

〈後記〉 いろんな波に翻弄(ほんろう)され、ロードでの悔しさを心の奥底にしまって、オートレースの道を選んだ。本当に走ることが好きなんですね。さわやかでハンサムだし、活躍してオート界を盛り上げてほしいですね。(舞の海)

*    *    *    *

 あおき・はるちか 群馬県出身。ロードレース世界選手権125CCクラスで95、96年世界王者。04年8月にオートレースにデビュー。現在18戦10勝。28歳。

(11/03 11:43)









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