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戦士のほっとタイム 舞の海
 
礒部公一(プロ野球・東北楽天) 新球団から球界活性

「血液型はA。プロに入ってからかなり性格が変わり、BかOに見られます」=大岡敦撮影
「血液型はA。プロに入ってからかなり性格が変わり、BかOに見られます」=大岡敦撮影

 近鉄の選手会長として球団存続に向け奔走。願いはかなわなかったが、05年は東北の地でキャプテンとして新球団を引っ張ります。

 ――去年は本当に激動の1年でした。最終的に楽天入りを決めた理由を聞かせてください。

 合併問題の中で一生懸命戦ってきて、どうしてもオリックスでやる気にはなれなかった。目をつぶって行けばできたかもしれないけど、割り切らないままプレーしても球団に迷惑がかかる。それよりも楽天の創立メンバーとして野球界に歴史を刻んでいく方がやりがいがあると思い、オリックスのプロテクトを拒否しました。

 ――8年間プレーした近鉄には相当愛着がありましたよね。

 現場もフロントも結構家族的なところがありました。野球ではライバルですけど、そこから離れたら一緒に酒を飲んだりとか、雰囲気がすごくよかった。

 ――でもお客さんの入りは厳しかった。企業努力が足りなかったのでしょうか。

 大阪ドームの開業(97年)当初はお客さんも来ていたけど、年々少なくなりました。優勝争いをしている時はそこそこ入るけど、目がなくなるとぱったり。ヤクルトの古田さんに聞くと神宮も入っていないようだし、東京ドームの巨人戦も満員にならない。ファン離れが進んでいるのは感じます。

○近鉄の消滅に涙

 ――そうなるとやはり、球界改革が必要なんでしょうか?

 今年は12球団でできますが、安心はしていません。まだいろんなことが起きそうなので、選手会と機構の間で意見を出し合って、クリーンな野球界にしていかないとファンは戻ってこないと思う。去年、パ・リーグがプレーオフを導入して、かなり盛り上がりましたし、いいことはどんどんとり入れていけばいい。閑古鳥が鳴く球場でやりたくないですから。

 ――でも選手からするとお金のある球団に行きたいですよね。

 それをなくしていかないといけない。ドラフト制度でもいろんな問題が出ているし、変えるんだったら今。たとえば自由獲得枠ができ、ドラフトってテレビ放映しなくなったじゃないですか。昔は指名が競合したらくじ引きもあったので面白かったし、野球界の収入にもつながった。もちろん理想は完全ウエーバー制がいい。そしてフリーエージェント(FA)権の取得年数を短くして選手が動きやすくしたり、レンタル移籍も導入したりすれば戦力差もなくなっていく。そうしないとプロ野球は盛り上がっていかないでしょうね。

 ――ストライキは、できればやりたくなかったですよね。

 もちろんです。ファンに野球を見せられないというのはものすごく残念だったし。でも「ここで頑張らなければ」というのもあったので、ファンの方には申し訳なかったですけど決行しました。

 ――労使交渉が決着した時の記者会見で泣いていました。

 悔し涙です。3カ月間走り回って、選手もファンも頑張ってきた。それを裏切って機構側と妥結しなければいけないという悔しさ、そして近鉄がなくなる悔しさ、全部が頭の中を駆け巡ってきて。今でもこういう話をすると、「なんで(近鉄を)残せなかったんだ」という腹立たしさがすごく出てくる。これはもう絶対に消えないと思いますね。

○ファンを大切に

 ――つらいこともありましたが、今度は新しい歴史のスタート地点に立ちます。

 東北は本拠地にしている球団が30年近くなかったので、すべてを盛り上げて「東北といえば楽天」みたいにしたい。だから、ファンの方にも長い目で見守ってほしいですね。そして、僕らはファンサービスを大切にする。合併問題が起きて、ファンのありがたさを今まで以上に感じるようになりましたし、それを若い選手にも教えていきたいですね。

 ――05年、新しい年にかける思いを聞かせてください。

 野球界も楽天で少し盛り上がると思うので、注目してもらっているうちにいい勝ち方をして走りたいですね。戦いは厳しいと思うけど、野球ってやってみないとわからない。失敗の可能性が7、8割あるかもしれないけど、2割のチャンスを生かせば3位に入ってプレーオフに出られることもある。僕らの目標は球宴まで勝率5割。個人的な数字ではやっぱり去年を上回っていきたい。

 ――大きく考えると、今回の再編問題が将来、いい形につながっていけばいいですね。

 10年後くらいに「やっぱり1リーグ8チームか」みたいになってたら、「あの時におれらが頑張ったのは何だったんだろう」となるけど、14チーム、16チームになったっていったら、「やっぱりおれらが頑張ったから何とか今があるんだな」と、いい思い出にできるじゃないですか。そうなってほしいですね。

◇合併の悔しさをパワーに変えて

 〈後記〉 責任感が強く義理人情にあつい人だからこそ、合併問題の中でもがき苦しんだのでしょう。その悔しさをパワーに変えて、新球団の色をつくってほしい。そして、ファンのための球界改革にも尽力していってください。(舞の海)

*    *    *    *

 いそべ・こういち 広島県出身。広島・西条農高−三菱重工広島。97年に近鉄入団。捕手から外野手に転向した01年は打率3割2分をマークしてリーグVに貢献。04年は3割9厘で26本塁打。174センチ、76キロ。30歳。 (01/05 10:31)









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