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戦士のほっとタイム 進藤晶子
 
大塚晶則(大リーグパドレス投手) プラス思考でやったるよ

「ボンズと対戦した時は、アドレナリンが今までにないくらい出てきて、涙が出てきました」=佐藤慈子撮影
「ボンズと対戦した時は、アドレナリンが今までにないくらい出てきて、涙が出てきました」=佐藤慈子撮影

 メジャーの夢をかなえて1年、今やチームには欠かせない存在です。カリフォルニア州南部のサンディエゴの生活を満喫しています。

 ――昨季を振り返って「メジャーに来てよかった」と実感されたのはどんなシーンでしたか。

 開幕戦のあったドジャースタジアムで、試合前に国歌を聴いている時はやはり実感がありました。国歌が終わった後に戦闘機が飛んできて、「わあ、アメリカだなあ」と。それまでにあったいろんなことが頭の中をよぎりました。

 ――例えば最初のポスティングで入札球団がなかったことなどですか。

 まさか入札がないとは思っていなかったので。あの時は食事も1週間のどを通らなかった。でも、もう一度メジャーに挑戦しようと思い、(中日に在籍した)一昨年は、違った環境にどれだけ順応できるかいろいろ試してみました。

 ――メジャーでの大塚さんの姿からは心底楽しんでいることが伝わってきます。そもそも渡米を決意したきっかけは?

 98年の日米野球で来日していたトレバー・ホフマン(パドレス)という選手が、ホームチームより前に来て黙々と練習していたんです。シーズンが終わって本当は休みたいところなのに、体調を維持して試合に真剣に臨めるように準備をしている。そういう姿勢に心を打たれました。それから、同じメジャーでホフマンと勝負したいという気持ちになりました。

○ヨッシャー人気

 ――チームでは積極的に輪の中に入っていったそうですね。

 武器はスマイルなんで(笑)。笑顔で接しているとみんなも心を開いてくれました。それに、野茂さん(前ドジャース)と一緒にプレーしたことのあるメキシコ人の選手がチームメートにいて「言葉もしゃべれないだろうから」と僕を助けてくれました。

 ――そしてベンチでは「ヨッシャー」が大はやり(笑)。

 「三振をとった時に言っているあれはなんだ」と聞かれて、「英語で言うと、『I did it』という意味だよ」と。そうしたら、僕が「ヨッシャー」と言ってベンチに帰ってくると、「シャー、シャー」と迎えてくれて(笑)。「ヨッシャー」というより「シャー」と言っていましたね。

 ――中継ぎ投手として感じる日米の野球の違いは。

 日本だと、40、50球は投げて登板に備えますけど、メジャーの場合は2分くらいで肩をつくらなきゃいけない時もある。オープン戦での経験なんですが、8回に投げる予定だったのが、4回に突然、「アキ、行くぞ」と言われた。ブルペンで10球くらい投げただけでしたけど、それでも抑えることができた。それで気持ちが変わりましたね。そういう環境になれば、頭を切り替えて「やったるよ」という感じで。そして球場の歓声に迎えられて、抑えて翌日の新聞に出て、みたいなイメージをする。とにかくプラス思考でやることを覚えました。

 ――野球とのかかわり方で、特に刺激を受けたことというと。

 昨年5月にランディ・ジョンソン(ダイヤモンドバックス。05年からヤンキース移籍)が完全試合を達成した時に、うちのデビッド・ウェルズ(04年オフにレッドソックスに移籍)という40歳を超えた投手に、「なんでお金もたくさんあるのに、モチベーションが高いんだ」と質問したんです。返ってきた答えが「アイ・ラブ・ベースボール」。その言葉を聞いて、ゾクゾクときました。でも、最後には「お金も少し必要だけど」とも言っていましたけど(笑)。

○夢舞台で登板を

 ――大リーグは選手の家族も大切にします。試合を見に行くと、選手の子供さんがよく練習に参加していますよね。

 勝った試合の時などは、子供がクラブハウスの中に一斉に入ってきて、「パパーッ」と言って抱き合います。男の子たちはそのままグラウンドに行って野球遊びをする。日本では考えられないことですね。僕の子供たちもチームメートと普通にキャッチボールなどができるから、すごい選手なんだという感覚が少し薄れているような気がしますね(笑)。

 ――サンディエゴという町をご家族全員で愛して。日本の家も売っちゃったんですって。

 そうなんです。サンディエゴは米国でも一番気候のいい所で、いつもカラッとしていて快晴なんです。球場に向かう途中にあるフリーウエーでも海が見えて、とても気持ちがいい。子供の遊ぶ場所もたくさんあるから家族にとっても最高の環境ですね。

 ――その最高の町で迎えた05年。抱負を聞かせて下さい。

 チームが去年、惜しくもプレーオフ進出を逃したので悔しい気持ちが残っている。ワールドシリーズも見に行って生のすばらしい雰囲気も体験したんで、そういった場所で投げてみたいですね。

◇動じない投球、今季もきっと

 後記 文化の違いには決して驚くまいと心に決めていたから、異国の野球にも抵抗なくなじむことができた、と言います。敬愛する野茂投手をほうふつさせる動じないピッチングを今季もきっとみせてくれることでしょう。(進藤)

*    *    *    *

 おおつか・あきのり 千葉県出身。千葉・横芝敬愛高―東海大―日本通運。97年に近鉄入団。日本で通算137S。中日を経て、04年パドレスへ。ナ・リーグ1位の34ホールドを記録。183センチ、91キロ。32歳。

(01/12 11:37)









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