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 J1甲府の「探検」続く
2006年05月11日
山梨県の韮崎市がサッカーどころとなったのは、強く吹き下ろす風のせいだという。その昔、韮崎高の校長が強風の影響から野球やテニスではなく、サッカーに力を注ぐことに決めた。
 横浜戦で得点して喜ぶFWバレー。こんなシーンがたくさん見られればJ1残留の可能大だ
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その地元にプロクラブのヴァンフォーレ甲府が生まれ、今季J1に初昇格を果たした。ワールドカップによる中断期間に入るまでの、甲府の成績は3勝2分7敗の14位。昇格組の間では最初に勝利あげて、なお最上位に位置しているが、首位の川崎や優勝経験のある横浜相手に印象的な勝利をあげただけに、もう少し上位にいてもいいという気はある。中断前の3連敗が響いている。
しかし、試合内容では健闘といえるのでは。大木武監督がよく口にする、「お客さんに喜んでもらえるサッカー」は面白い。豊富な運動量をベースに、中盤や両サイドのDFが積極的に前線に顔を出す。ボールをどんどん動かして、相手に向かっていくサッカーは、自分たちが試合を動かすぞという強い意志が感じ取れる。川崎や横浜戦の勝利も、格上の相手に臆して引くことなく攻撃的にボールを奪いに行った成果だ。「サッカー選手はピッチ上でアピールするしかない。また会場に足を運びたいと思う試合をしたい」。今季4回、ホームゲームでの1試合最多観客動員を更新した。昇格効果の表れだが、試合の面白さと無関係ではないはずだ。その4回のうち3回が敗戦だったというのが玉に瑕だが……。
大木監督はあまりフロントに文句を言うタイプではない。そもそも甲府はJ1最低といわれる約12億円の予算。クラブハウスがないため、ビデオを使ったミーティングも外にテレビを出してすることが多い。春先の開幕直後には寒空の下、選手たちは体を丸めながら指揮官の話を聞いていた。昇格に備えてJ1のチームと練習試合ができる宮崎でのキャンプが、ほぼ唯一のリクエストだったと聞く。
開幕前からFW須藤、開幕直後にはMF鈴木やDFアライールがケガで離脱し、主将のMF倉貫も膝を痛めて全治6カ月。中心選手のMF藤田も万全ではない。台所の事情は厳しいはずだが依然として強気だ。「違う選手で何ができるか、非常に楽しみだ」
試合内容はまずまずとはいえ、やはり結果が求められる世界。せっかく好機を作りながら、決定力不足が響いて星を落とすような試合が目立った。7敗は、現在最下位のセ大阪の8敗に次ぐ。プレーの精度を高めるのが急務だが、目に見えて向上するようなものではない。川崎戦の勝利の後に語ったように「紙を一枚一枚重ねるように」改善させるしかないのだろう。
「J1探検」が今季のスローガン。チーム初の海外遠征も予定されている中断期間は大事な2カ月になる。再開後も大きな山や深い谷があるだろうが、なんとか無事に「探検」を乗り切ってほしい。(金漢一)
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