現在位置:asahi.com>スポーツ>コラム>Le Ballon Ovale> 記事 ![]() 地域への貢献「お手本」に2007年12月30日 連休の最終日でクリスマスイブだった12月24日、秩父宮ラグビー場が熱気に包まれた。トップリーグの2部にあたるトップイースト11の最終日。今季のトップリーグの平均入場者数を上回る約4600人が集まった第1試合で、横河電機がNTTコミュニケーションズを破って全勝優勝を決め、トップリーグ昇格に大きく近づいた。
長く日本のスポーツ界の背骨となってきた企業スポーツの衰退が言われて久しい。しかし、そんな傾向とは対照的に、横河電機は数年前からラグビーを「フラッグシップスポーツ」に位置づけて強化を図ってきた。横河電機ラグビー部は元々、2003年にトップリーグが始まるまでは最上級リーグの一つだった東日本社会人リーグにいたこともあり、笹田学(明大卒)や植山信幸、安田真人(共に早大卒)ら日本代表選手もプレーしていたチーム。トップイースト11優勝を秩父宮で見届けた海堀周造社長は「伝統を復活させようと取り組んできた。産業機器メーカーである私たちは名前を知ってもらうチャンスが少ないので、健全なスポーツを通して横河電機の存在感をアピールしたい」と話し、企業としてスポーツに取り組む価値を認めた。 同時に、横河電機は今後のスポーツの発展に重要な地域との関係強化にも取り組んでいる。東京都武蔵野市に長く本社を置く同社は、同市や周辺の小学校5、6年生を対象に「理科教室」を開くなどの地域貢献活動を行っている。会社のこうした地域密着を目指す風土の中で、ラグビー部も自社の人工芝グラウンドで同市ラグビー協会と共に「ラグビーフェスティバル」を開催したり、地元チームの子供から大人までを対象にした「ラグビークリニック」を行ったりしている。秩父宮で横河電機を応援した多くの観客は決して社員ばかりではなく、こうした活動を通じて横河電機のファンになった地域の人々も含まれているという。 トップリーグのベストファンサービス賞を連続して受賞している神戸製鋼やヤマハ発動機を始め、もはやラグビー界の名物となった「我孫子ラグビーフェスタ」を開催しているNECなど、トップリーグの各チームもそれぞれ地域社会との関係強化に取り組んでいる。今後、企業スポーツという仕組みに依存しきっていくわけにはいかないが、一方で、これは一部のスポーツ、一握りのトップアスリート以外はスポーツで生きていくのが難しい日本において、長所が多いシステムでもある。企業スポーツという大枠は維持しつつ、いかに地域に根を広げていけるか。トップリーグが日本のスポーツ界の見本になって欲しいと思う。 ※Le Ballon Ovale(ル・バロン・オバル)=フランス語で楕円球の意味。 著者略歴
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