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「日本代表ってどう?」

2008年4月1日

写真3月26日のW杯アジア3次予選で、バーレーンに敗れてぼうぜんとする日本代表の選手たち

 「日本代表ってどう?」。友人からこんな言葉を投げかけられたのは、あの黒星があった次の日だ。

 3月26日のワールドカップ(W杯)アジア3次予選のバーレーン戦。日本が0―1で敗れた。痛い負けであるのは確かだし、それ以上に衝撃的(?)だったのは、内容があまりに悪かったこと。ファンの1人である友人が今の日本代表がどうなっているのか、疑問に思うのは不思議ではない。

 他社の記者と話したが、みんな意見が一致していた。「久しぶりに日本代表のひどい試合をみた」と。J1のあるクラブの強化担当者も「ここ数年で一番ひどい試合だった」と言った。「バーレーンってめちゃめちゃ強いわけでもないのに」という人もいた。敵地とか、バーレーンの実力がどうだったのか、ということを抜きにしても、もっと日本代表はやれたはず、と思わせる内容だったのは確かだ。

 日本サッカー協会の川淵三郎会長もさすがに言葉が厳しかった。試合翌日の3月27日、コメントを求められると、「悪いところが全部出た。準備万端だったのにどうしてああなったのか。引き分けることはできた」と話した。その日は、前日本代表監督のオシム氏と会った日でもある。「オシムと話したが、走らないサッカーで勝てるわけがない。考えて走るのはゼロに等しかった」と不満を伸べた。

 気になるのはオシム氏が川淵会長に何と言っていたのか、ということ。川淵会長は「オシムの感想はどうだったのか言えないが」と言いながらも「考えて走らないサッカーでは勝てない、と選手自身が考えてほしい。会長は選手にゲキを飛ばす必要がある、とはっぱをかけられたよ」と明かした。後の3月30日、オシム氏は「選手はよくやっている」と報道陣に語ったが、試合に関して不満だったのは確かだろう。

 日本代表に対するもやもやを抱えた中で、がっかりしたのは岡田武史監督の言葉だった。3月28日、コーチらを集めたスタッフ会議後、独自色を出していくことを明らかにした。話した内容はこうだった。

 「正直、おれになってからすぐ公式戦の予選があったから、やり方を大きく変えるのはリスクがあると考えてきた。ここからは(次の予選まで)間があくし、おれのやり方でやるからという話をみんなにした」「今までのやり方を踏襲してきた部分があったし、いろんな意味で我慢してきたこともある。トレーニングの組み立て、選手選考、戦術を含めて、おれのやり方で思い切りやらせてもらう」「3次予選が終わってからと思っていたけど甘かった。(バーレーン戦に)引き分けて、ずるずるいくよりはよかった。思い切ってやれる」

 岡田監督に代表を任せているのだから、監督の考えが一番であるけれど、やはり、負けた後だけに、言い訳にもとれるし、印象も良くない。それなら、就任してから今までやってきたことは何だったのか。我慢してきたこととは何のか、我慢してやるような状況だったのか。

 踏襲してきた部分にマンツーマン守備をあげ、「おれはこれまでやってきたことはない」とも言った。岡田監督からすれば、オシム前監督のやり方を否定しているわけではないだろうが、負けた後の発言だけに、「あれは間違っていた」と否定しているようにも、責任転嫁をしているようにも聞こえてしまう。そもそも、オシム前監督が昨年、がちがちのマンツーマン守備をやっていたわけではない。だからこそ、余計に今回の岡田監督の言葉に「えっ」と思わざるをえない。

 では「おれのやり方」とはどんなやり方なのか。詳しいことを語らなかったから、今ははっきりしたことが見えない。岡田監督と言えば、コンサドーレ札幌や、横浜F・マリノスの監督時代の現実的な勝つサッカーを思い浮かべる。日本代表もそうなるのか。日本人の特徴を生かしたサッカーを続けるなら、劇的な戦術の変化は目立って見えないかもしれない。「おれ」の部分がはっきり見えるとしたら選手選考か。

 選手選考で変化があるなら、攻撃陣でぜひ入ってほしい選手がいる。鹿島アントラーズのMF小笠原満男だ。イタリアでは出番に恵まれなかったが、昨季途中、鹿島に帰ってきてからは、ボランチとしてチームを支えている。際立つのは激しい守備。ガツガツと容赦なくボールを奪いにいく。あれほど激しい守備をするボランチは、J1では小笠原しかいないと思っている。ぜひ、日本代表のボランチで起用してほしいし、みてみたい。

 同じ鹿島のMF本山雅志も選んでほしい1人。昨季途中から、かなり切れ味鋭い動きを見せている。あのテンポいいドリブルや、タイミング良く相手をかわすフェイントは、まだまだ代表でも大きな武器になると思っている。

 どうせなら、今の強い鹿島の中盤の選手を、そのまま日本代表に持ってきた方が強いのではないか、と思ってしまうほどだ。

 いずれにせよ、今後、周囲の雑音を消すには、勝つしかない。勝つにしても内容も求められる。オシム氏との比較はいつまでも続くのかもしれないが、それを少しでも打ち消すには、すっきりとした内容で勝つしかない。

 今、日本代表のことで一番知りたいのは、岡田監督が言った「おれのやり方」である。今後、練習や試合で見えてくるものではあるが、できれば、近いうちに岡田監督の口から説明してほしい、と思っている。(上嶋紀雄)

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