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命名権売買を考えて

2008年04月30日

 ユアスタ、NDスタ、味スタ、ホムスタ、ニンスタ、レベスタ、ベアスタ。

写真命名権売買の先駆けとなった味の素スタジアム

 Jリーグの試合が行われる会場で「○○スタ」という名称がついたものを挙げてみました。みなさんはそれぞれがどこにあるかわかりますか?(答えは下の表で確認してください)

 このほかにも、NACK、フクアリ、日産ス、ニッパ球、九石D…。ここ数年、命名権売買が活発、定着化し、次々と色々な企業の名称を冠にした名前に変わっていく。私はそんな流れに少し違和感を感じている。

 サッカー好きの友人に「○○(企業名をつけたスタジアム)はどこにあるんだ」とよく聞かれる。サッカーを担当する私ですら、不勉強な部分があるにせよ、「○○はどこだっけ」と悩むこともたまにあるほどだ。

 「たかが名前。競技場の中身が大事」という意見ももっともだが、私は「されど名前」だと思う。人に覚えられるのはまずは名前。これまでサッカーに全く関心がなかった人が、どこにあるか名前からはなかなかわかりにくい会場に足を運ぶだろうか。そう感じている。

 さて、ここまではサッカー側の論理から見た意見だ。現実には、Jリーグの競技場は芝生一つ取ってみてもかなりの維持費用がかかる。プロの興行を行う以上、全国レベルで見て相当高いレベルの会場が求められる。Jリーグの基準も高ければ、観客の要望も高い。必然的に費用はかかる。各地の自治体は財政難を考えると、赤字の垂れ流しは許されない。例えば、カシマスタジアムは鹿島アントラーズを指定管理者にして、コスト削減を図っている。

 中でもそんな課題を解消する手段として最も注目されたのが、命名権売買だ。企業に競技場の名前を付ける権利を打って、1年当たり数千万円から数億円の命名権料を得る。この多額の契約料は自治体にとってかなり魅力的だ。

 ただ、プロ野球でこんなケースがあった。楽天のホームスタジアムの名称は球団創設以降、県営宮城球場→フルキャストスタジアム宮城→県営宮城球場→日本製紙クリネックススタジアム宮城→クリネックススタジアム宮城と移り変わった。西武ドームにも「インボイス西武ドーム」と「グッドウィルドーム」という名前の時代があった。ここ数年で名前が次々と変わっていった。こんなことがサッカー界でも起こらないとは限らない。

 命名権売買による収入は貴重だ。ただの赤字穴埋めのためということだけを考えて安易に命名権を売ることには反対だ。名前を売るにしても長く永続的な関係であって欲しい。地元に定着してこその競技場だと思うからだ。

 逆に、命名権を売らずスタジアムを維持するために貴重な税金を使っていいかどうか。そこまで、サッカーは文化として定着し、認知されているか。サッカー界の位置づけが問われている問題とも言える。いま道路特定財源が問題となっています。額は小さいですが、こうしたお金の使い道についても少し考えてみませんか。(河野正樹)

■主な命名権売買を行った会場

宮城  ユアテックスタジアム仙台(ユアスタ)

山形  NDソフトスタジアム山形(NDスタ)

埼玉  NACK5スタジアム大宮(NACK)

千葉  フクダ電子アリーナ(フクアリ)

東京  味の素スタジアム(味スタ)

神奈川 日産スタジアム(日産ス)

    ニッパツ三ツ沢球技場(ニッパ球)

新潟  東北電力ビッグスワンスタジアム(東北電ス)

兵庫  ホームズスタジアム神戸(ホムスタ)

徳島  鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム(ポカリ)

愛媛  ニンジニアスタジアム(ニンスタ)

福岡  レベルファイブスタジアム(レベスタ)

佐賀  ベストアメニティスタジアム(ベアスタ)

大分  九州石油ドーム(九石D)

※括弧内は朝日新聞が使用している略称です。

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