
2008年7月11日
スマッシュを放つ岸川聖也
五輪切符をつかんだ後、ベンチに座り、涙を流していた姿が忘れられない。
香港で3月にあった五輪アジア予選。初戦で北朝鮮のカットマンと戦い、上腕の筋肉を肉離れした。氷で冷やし、激痛に耐えながら試練を乗り越えた。
「僕だけが予選落ちするのは、僕の中では絶対に許せなかった」
この予選には、2歳下でドイツ留学仲間の水谷隼(じゅん)も一緒に出場し、ひと足先に五輪切符をつかんでいた。
全日本選手権2連覇の天才・水谷の陰に隠れがちだが、岸川の「履歴書」もエリートと呼ぶにふさわしい。中学3年からドイツに渡り、すでに6季を過ごした。その間、仙台育英高で高校総体個人3連覇。左右に散らすバックドライブの強打は、決定力が高い。
ドイツに渡った先駆者の松下浩二(日本協会理事)は「聖也は自分のペースで世界への階段を上がればいい」と励ます。
北京五輪では「見る人が感動する試合をしたい」。特に期待されるのは、気心が知れた水谷と組むダブルスだ。団体戦でメダルを狙う日本男子のカギを握る。(稲垣康介)
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きしかわ・せいや 87年5月生まれ。北九州市出身。全日本選手権バンビ、ホープス、カデットの年代別大会で優勝。スヴェンソン所属。世界ランキング63位(7月現在)