2009年7月3日
日本サッカーの底上げを図るためには、リーグの制度改革が必要だと思う。J2とJFLのリーグ形体についての改革だ。
今季からJ2はファジアーノ岡山、カターレ富山、栃木SCが昇格し、J1と同じ18チームになった。J1同様の総当たり2回戦制では、入場料収入があるホームゲームが年間17試合しかないから、ナビスコ杯を行わないJ2では試合が少なすぎるし、総当たり4回戦制にすると各クラブが年間68試合もこなさなくてはいけないから、多すぎる。ということで、総当たり3回戦制を敷き、各クラブが年間51試合を戦うことになっている。
しかし、これは問題が多い。まず、どのチームをホームに迎え、どのチームのアウエー戦に行くかがアンバランスだ。例えば九州のチームにとっては、最北の札幌に2回来てもらうのか、2回行くのかで、移動費のかかり方がえらい違う。JFLにいる沖縄のFC琉球が上がってきたら、いったいどうするんだ?
そうでなくても、北海道と九州の間を移動する費用は大きい。なんぼJ1を目指していると言っても、同じJ2にも、しっかりしたスポンサー企業のバックボーンを持っているクラブと、そうでない零細のクラブがある。バックボーンがあっても、赤字が出ているクラブもあるくらいだ。しかも、今季1試合の平均入場者数を見ても、1万人を超えているのはコンサドーレ札幌、ベガルタ仙台の二つだけ。こういう状態で、選手に給料をなんぼ払えるか? プロがもらう額と言えるのか? 移動費がかからないようリーグ体系を変えて経費を減らさないと、J2のクラブは持たない。
だから、将来的にJ2は12チームに減らし、バランスのいい4回戦総当たり制にすべきだ。その分、J3を作って予備軍とする。J3は東西に分け、移動費が少なくなるようにすればいい。そうやって経営がしっかりしてきたクラブがJ2に上がり、さらにJ1を狙えるようにした方が、プロクラブとして質の高い試合を見せることができる。ヨーロッパはサッカーが確固たる地位を築いているからいいが、日本は野球もバスケットボールもある。いろんなスポーツチームを応援する中で、サッカーを見ようという気持ちにさせるには、試合の質を維持しなければいけない。
現状のJFLも、Jリーグ昇格を目指すプロクラブ、アマチュアチーム、企業チームが混在する18チームの全国1リーグでやっている。北は秋田のTDKから、南は琉球FCまで、ホーム・アンド・アウェーでやっているが、これも、「イースト」「ウエスト」の東西に分けてリーグをやったらどうか。日本協会は、「ジャパン・フットボールリーグという全国リーグを示す名称だからこそ、参加する企業がある。『ジャパン』と取ったら、参加する企業チームはあるだろうか」と考えているようだが、それなら、まず東西に分けてリーグを行い、上位4チームずつが最後に決勝リーグをやって全国の順位を決めるような方式もある。JFL事務局は、琉球に年間200万〜300万円を補助するなど、移動費が多くかかるチームに規定の調整金を出しているが、それでも総移動費の10分の1程度にしかならない。南北に長い日本。全国単位だと移動費は本当に大変だ。
なお、Jリーグの給料体系も、勝利ボーナスを高くする方向に変えた方が良い。日本のプロ選手は固定給の割合が高く、出場給や勝利給が少ない傾向がある。だが、自分に自信があれば、固定給は30%くらいでいいはずだ。その方が、「ホームゲームの観客はみんな俺を見にきているんだ」という気持ちになれる。なによりもストライカーには、勝利に直結するゴールへの渇望心も生まれる。
1944年、京都市生まれ。山城高から早大を経て、1967年にヤンマーディーゼルへ。日本リーグで通算最多の202得点。得点王には7度輝いた。日本代表としては、国際Aマッチ日本最多の75得点。1968年のメキシコ五輪では7ゴールをあげ、銅メダル獲得の原動力となった。1984年に引退。Jリーグ・ガンバ大阪初代監督、参議院議員、日本サッカー協会副会長などを歴任。