もう少し、先月16日のブラジル戦を振り返ってみたい。前線は本田のワントップだったけど、選択肢としては有りだと思う。あれだけ起点になれ、周りもいい距離感を保ちながらサポートできていたし、本田自身も周りを使えていた。シュートの怖さも持っているので、相手に脅威を与えられる。
ワールドカップ南アフリカ大会の時のように、本田が一人で張ってキープしなければいけないというわけではないから、本田の良さを有効に出せるようなワントップではないかな。
香川は前半は左に入り、後半はトップ下。後半の方が登場する場面は多かった。サイドとなると、もらう時のスペースがどうしても少なく、外に追い込まれやすい。その駆け引きが難しかったのかもしれない。サイドは守備をしなければいけない部分もあって、守備にいくと攻撃も遅れるし、もらうタイミングもつかみづらい。それに比べれば、真ん中の方がスペースもサポートもある。そうみると、現状でいえば本田がトップ、香川のトップ下が理想な気がする。
4失点はしたけど、吉田や今野のディフェンス陣がボールを持ち上がって効果的にパスを出すとか、相手を誘い込むことがやれるようになってきた。一方で、うまくサイドを使われて起点にされてしまった部分があるので、長友にしても内田にしても、サイドバックが前にいくべき時なのか、バランスをとるべき時なのかの判断の精度を上げていくことが課題になっていると思う。前がかりになるのであれば、ボランチが下がったり、逆サイドを絞らせるなど、状況判断を高めていかなければいけない。
さて、今月14日にはW杯アジア予選のオマーン戦がある。アジアとの戦い方と世界との戦い方が違うということはずっと前から継続していることで、アジア相手であっても、対世界のレベルを意識しながらやる場面は出てくると思う。でも、だからといってアジア相手でも油断は絶対にしてはいけないと思う。実際にこのブラジル戦ではちょっとしたミスが失点につながった。ミスがないように細心の注意を払う必要があるのは、アジアであろうが世界であろうが、同じことだと思う。
1976年9月、愛媛県生まれ。新居浜工高から1995年にジュビロ磐田入り。2006年にFC東京、2007年は東京ヴェルディで活躍し、2008年に引退。MFとして、ジュビロ磐田の3度のJリーグ制覇に貢献。Jリーグベストイレブンには4度輝いた。日本代表としては、2002年W杯、2006年W杯など64試合に出場し、7得点。現在、テレビ解説者として活躍する。