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広島ユース台頭 選手に密着、強さを探る

全日本ユース選手権決勝でゴールを挙げ、喜ぶ前田(右)と駆け寄る平繁=10月11日、埼玉スタジアム
全日本ユース選手権決勝でゴールを挙げ、喜ぶ前田(右)と駆け寄る平繁=10月11日、埼玉スタジアム

 高校年代のサッカー界でクラブチームが台頭してきた。高校とクラブチームが同じ舞台で戦った全日本ユース選手権決勝は5年ぶりにクラブ勢の対決となり、広島ユースが磐田ユースを下して初の頂点に立った。各世代の代表でもユース出身者が目立ってきた。次々にいい選手を育て、強くなってきた理由はどこにあるのか。5人がプロ入りする広島ユースを訪ね、選手の生活に密着した。

 午後3時40分。広島県立吉田高から選手たちが自転車で連なって寮に帰ってきた。練習は4時半開始。すぐに着替えて自転車で15分の練習場へ急ぐ。常備されているバナナやヨーグルトをかっこみながら、慌ただしく飛び出す選手もいる。

 広島市中心部から北東へ車で1時間半の安芸高田市に「三矢寮」はある。戦国時代の武将毛利元就の生誕地で、その教え「三矢の訓」に寮の名前は由来する。

 中国山地の山々と田畑以外は周囲に何もない。27人の選手全員が寮生活を送るのは、他のJリーグチームにはない。GK佐藤は三重、FW前田は奈良など県外出身者も約半数いる。中学3年で大阪の千里丘FCからスカウトされたDF藤井は「寮長や監督、コーチがよく面倒を見てくれて、ここならサッカーに集中できそうだ」と選んだ。

 ■勉強もしっかり

 3年生9人は10期生。105人が寮を巣立ち、プロになったのは16人。大部分は筑波大や早大など大学に進学し、サッカーを続ける。

 稲田稔寮長(59)は、「プロになる子は一握り。だが、それ以外の子の大学進学率も100%。大切な時期に預かった以上、出口もきっちりつくってやる」と話す。都会の大きなクラブと比べると、広島は地理的にも財政的にも不利だが、面倒見の良さで選手の心をつかんでいる。

 勉強もおろそかにさせない。MF高柳は「最近は中間テストで寝不足」と話した。1科目赤点を取れば3日間、2科目なら1週間練習に出られない規則だ。携帯電話は、夜10時半には回収されてしまう。

 93年から広島ユースが拠点を置く旧吉田町は、町の活性化のために天然芝2面、人工芝1面の吉田サッカー公園を整備。99年からはJ1広島も練習拠点に利用する。

 昨年クラブが張り替えた人工芝では、森山監督が選手たちを待っていた。練習はシュート練習1時間と8対8のミニゲームを3セット。「練習メニューはオーソドックス。だが、その質にはこだわる」と監督。

 華麗なパス回しを見せた試合の印象からは、どんな練習をしているのかと思っていたが、基本的な練習で「質の追求」に重点を置いているのは少し意外だった。

 ただ、「体のぶつかる音がバチバチするぐらい激しくやらせる」(森山監督)という。高校に比べてひ弱と言われてきた弱点を克服する努力も重ねてきた。

 ■集中できる環境

 練習後の食卓には、カツ丼、豆腐サラダ、切り干し大根の煮物、みそ汁、キウイと柿が並んだ。栄養士が1日4000キロカロリーを目安にコントロールし、地元の主婦9人が交代で買い出しと調理を受け持つ。吸収がいい練習後1時間以内に全員が食事できるのも、全寮制ならではだ。月に1度、サッカー以外の選手やコーチらを講師に招く講話も設けている。

 年間の約80日が遠征で、オフは月に1度。寮と学校と練習場の2キロの三角形を自転車で行き来する毎日は、多感な10代の選手にとっては少し退屈かもしれない。息抜きの場所は、1軒ある大型スーパーぐらいだ。だが主将のGK佐藤は言う。

 「ここでサッカーに集中できたから、勝てた」

 ■層厚い世代、J1へ続々

 今年はユースの「豊作年」だ。広島ユースは00年の3人を上回る、過去最高の5人がトップチームに昇格する。彼らと同世代で、昨年プロになったMF高萩(広島)を含めると、層の厚さは群を抜く。

 例年トップ昇格は多くて1、2人の磐田ユースも、DF森下、FW藤井ら6人が昇格。鹿島ユースからも3人の昇格が内定した。

 日本代表にもユース出身者が増えてきた。W杯フランス大会ではゼロだったが、02年W杯では、稲本、宮本、明神ら5人。アテネ五輪代表ではGK曽ケ端、DF茂庭、MF森崎浩、MF石川、MF駒野、MF阿部の6人がユース出身だった。

 日本協会の川淵会長は、「高校としのぎを削ってきたクラブユースに、たくましさが備わってきた。日本のサッカーを支える個性も増えてきた。今後も楽しみだ」と話す。 (11/02 14:36)









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