北京五輪サッカー男子日本代表を発表する反町監督=杉本康弘撮影
伸びてきた選手を見逃さない。反町監督は、2年間で83人もの選手を呼んで試し、代表内に競争を持ち込んで成長を促してきた。そんなやり方がよく出た選考となった。
「予選の功労者で戦うのが日本のためにいいのか。本大会に連れて行けないのはつらいが、そうではないと思う」と反町監督は話す。フル代表候補にも挙がったことがあるMF水野(セルティック)、DF伊野波(鹿島)、DF青山直(清水)は昨年の五輪最終予選の主力ながら落選。今年になって初招集したDF森重らが滑り込み、かなりの選手が入れ替わった。
この世代の象徴的な選手だったFW平山(FC東京)も例外ではない。試合に出られず少しでも調子を落とせば、別の選手がポジションを奪った。23歳以下日本代表での試合数が少ない選手も多い。
五輪1次リーグの対戦相手は日本よりも実力が上の国ばかりで、第一目標の準々決勝進出は厳しい。反町監督は「勝つための最強メンバーを選んだ」と話すが、足りない部分を埋めるはずだったオーバーエージは一人も呼べず、若い選手たちの勢いに期待せざるを得ない状況だ。
だがこの世代は、守備には歴代五輪代表と比べても有望な選手が多い。長友や内田らはフル代表に選ばれ、W杯予選にも出場している。トゥーロン国際大会でイタリアを完封したように、主将の水本を中心に粘り強い守備が持ち味だ。1点を争う試合に持ち込み、勝機を見いだしたいところだ。(河野正樹)
◇
反町監督の主な一問一答は次の通り。
――選考で重視した点は?
一つはハート。最後まであきらめないひたむきさ。心技体の「心」を重視した。18人という枠はW杯より少ないので(複数のポジションをこなせる)柔軟さ、暑い中の連戦を戦い抜けるか、けがに強いか、なども考えた。北京で日本らしいサッカーをするための選手を選んだ。
――FW4人への期待は?
岡崎はMFもできるので、3.5人のつもり。森本は点を取る嗅覚(きゅうかく)がある。(長身の)豊田はポストプレーだけでなく、裏へ抜ける速さがある。李は攻守に頑張れる。不器用な部分があるが、それもチームのプラスになる。
――色々な経緯でOA枠を使わないことになったが、改めて理由は?
U23の世代の選手を何とか伸ばそうとやってきた。その結果だということ。
――残り少ない時間で、どうチームを強化するか?
最近の合宿では攻撃に時間を割いたので、豪州戦とアルゼンチン戦を通じ、もう一度、守備組織を築くところから始めたい。
――目標は?
まず1次リーグ突破。どの相手も強豪であることは間違いない。突破できたら、その次のことを考える。
◇
水本(京) 「発表まですごくドキドキして、気が気でなかった。(ガ大阪からの移籍は)色々言われたが、今は試合にも使ってもらって充実している。京都の代表としてもがんばりたい」
香川(セ) 1人だけ12年ロンドン五輪出場も狙える89年生まれ。「この年齢で世界で活躍している選手はたくさんいる。自分の力がどれだけ通用するか試したい」
安田理(ガ) 「(病気で断念した)ヤット(遠藤)さんや、予選に出て選ばれていない選手もいる。『おれやったらもっといいプレーができた』と言われないようなプレーをしたい」
西川(分) OA枠でGKの選出はなかった。「反町監督の期待もあると思う。背番号1の責任を感じる」