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コラム・ティップオフ

セルビア・モンテネグロ 団結模索

2006年08月17日

 「国の節目の時期に、国を代表して戦うことの重みを認識できない選手たちがいる」。セルビア・モンテネグロのバスケットボール協会は7月初め、声明を出した。

 今年6月、モンテネグロが独立した。「セルビア・モンテネグロ」として出場するのは今回が最後だ。そんな時に、代表候補に選ばれながら辞退するこの国出身の米プロバスケット(NBA)選手らが相次いだ。8人いる現役NBA選手のうち代表入りするのは1人しかいない。

 ユーゴスラビア時代からの実績は本場米国をしのぐ。63年の第4回世界選手権以降、94年3位のクロアチアを含めると11大会続けて3位以内。うち5度優勝を遂げた。

 だが、2連覇した02年大会以降、低迷する。04年アテネ五輪は11位、昨秋の世界選手権欧州予選は9位と惨敗した。

 再建を託されたセルビア出身のドラガン・サコタ監督は団結力が薄れた原因について「有力選手が次々とNBAにスカウトされて欧州を離れ、意思疎通が難しくなったため」と話す。加えて、政情の変化を指摘する関係者は多い。

 90年代、この地域では民族紛争が絶えなかった。北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆も受けた。それでも、いや、だからこそ選手はまとまっていたと幹部の一人は言った。「かつては国の威信をかけて戦った」。政情は混沌(こんとん)としていたものの、それでも自分たちには力があることを世界に示そうとした。

 当時に比べれば平和な時代が近づくにつれて、こんな意識は希薄になった。その結果、個人の利益や都合を優先する選手が増えたのだという。

 主力の相次ぐ離反や辞退で、チームは大幅に若返った。サコタ監督は言う。「この世界選手権の目標は3連覇ではない。北京五輪に向けて団結する力をとり戻すこと」

 次の国際大会からは、セルビアとモンテネグロとに分かれて参加することになる。国も代表チームも、新たなスタートを切る。

    ◇

 日本で初めて催されるバスケットボール男子の第15回世界選手権の開幕が19日に迫った。「ティップオフ」(試合開始)を待つ人々の思いを紹介する

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