スーパーボウル開催の地、アリゾナ州フェニックスは灼熱の砂漠というイメージとはほど遠い涼しい天候が続いている。日差しは強いが、夜になると肌寒いほどだ。
スーパーボウルまでの1週間、スーパーボウル・ウィークが28日から本格始動となった。両チームも現地入りし、我々報道陣もこれから本番に向けて盛り上がっていく。
だが、今回は比較的穏やかなスタートとなった印象だ。それは大きな舌戦が起こっていないためだ。膨大な数のメディアが1試合に集中して報道するため、選手やコーチの何気ない一言が相手チームへのあおり文句と受け取られ、メディアがその言葉をさらにあおって報道する。発言と同時に相手チームにも取材するため、双方による“舌戦報道”が巻き起こるのがいわば恒例である。
しかし、今年はまだヒートアップ、というまでのトピックが出ていない。
ジャイアンツのエースWRプラクシコ・バレスが「自分たちのWR陣の方が、ペイトリオッツより上かもしれない」と先週コメントし、そこで火がつくかと思われた。しかしペイトリオッツのWR陣、DB陣ともバレスの発言に対し、「比較はあまり意味がない」と冷静に対処したので、話題が広がることはなかった。
多くの場合、挑発に乗ってしまう選手がいるものだが、そうした選手がいないあたりが無敗街道を走るペイトリオッツの強さの一つなのかもしれない。バレス自身が火に油を注ぐような発言を繰り返さなかったことも好印象だった。
では、これまでで最大の話題は何だったかというと、ペイトリオッツのエースQBトム・ブレイディの負傷疑惑である。ブレイディはAFCチャンピオンシップの翌朝、ニューヨークに住むブラジル人スーパーモデルでガールフレンドのジゼル・ブンチェンのアパートを訪ね、パパラッチに撮影された。その際、ブレイディが右足に固定具をつけていたことから、足、もしくは足首を負傷しているのではとの憶測が広がり、メディアが飛びついた。
しかも、ブレイディもビル・ベリチェック・ヘッドコーチもこの疑惑を明確に否定せず、煙に巻くような態度をとったため、先週末までこの話題で持ちきりだった。しかし、現地入りしたブレイディは通常のスーツ姿で、練習にも厳重なテーピングを足首に施して参加した。今日開催されたメディアデーでも「足首は大丈夫」とコメントしたため、けがはあってもプレーに支障がない程度ではないかという認識に落ち着きつつある。
こう書いてくると、今回のスーパーボウルは話題が少ないように思えるかもしれないが、「無敗チーム対ワイルドカード・チームの対決」という事実だけでも、このうえなく注目度の高い一戦であることは間違いない。