2005年04月25日13時29分のアサヒ・コム第77回選抜高校野球大会
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【愛知】攻め多彩、名電正夢 4番の自信、会心アーチ

2005年04月05日

 「バントの名電」から「大技も小技も使える名電」へ――。第77回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催)で4日、悲願の初優勝を果たした愛工大名電は、長打、犠打、盗塁と「技」を尽くし、昨春決勝で敗れた雪辱を果たした。主戦斉賀は連投の疲れを見せず、勢いのある神村学園打線を4安打に抑える好投。打線も堂上の今大会2本目の本塁打など、着実に得点を重ねて栄冠をつかんだ。

 愛工大名電が大技と小技をからめたスキのない野球を展開し、神村学園を終始圧倒した。

 名電は1回、先頭の山田がフェンス直撃の中越え三塁打で出塁、続く柴田の左犠飛であっさり先制。2死後堂上が左翼席に本塁打を放って加点した。3回にも2死一塁から佐々木孝の三塁打、四球で一、三塁とした後小島の右前安打で着実に加点し、流れを引き寄せた。

 中盤は神村の主戦野上の変化球にてこずったが、7回1死、柴田が内野安打で出塁すると積極的な盗塁と犠飛、連打でだめ押しの3点を加えた。

 主戦斉賀は、球を低めに集めて打たせてとる投球を徹底。準決勝では苦戦した得意の縦の変化球も決まり、終盤まで神村に三塁を踏ませなかった。

 神村は8回、四球から2死一、二塁の好機を作り、金堀の中前安打と敵失で2点を返したが、最後まで斉賀をとらえきれなかった。

    ◇

 すらりと伸びる長い足で、打席の土を2度ならす。1回2死、4番の堂上直倫君は、くるっとバットを一回転させ、天を突くように構えた。「どんなボールがきても、打てそうな気がした」。堂上君には時々、打席で不思議な感覚が宿る時がある。

 初球。神村学園の主戦野上亮磨君が放った外寄りのスライダーを打ち返した。ボールは快音とともに左翼線ポールの向こうに消え、三塁の塁審が頭上でぐるぐると手を回す。今大会2本目の本塁打。堂上君は、かみしめるようにゆっくりとダイヤモンドを回った。三塁ベースを回った所で、小さく拳を握った。

 堂上君は「大会屈指のスラッガー」と呼ばれ、常に注目されてきた。今大会以前の昨秋以降の公式戦記録では、打率は4割4分8厘。勝負強さが売りで、25打点は今大会出場選手でトップだ。

 堂上君の打球は、低いライナーであっという間に外野に飛ぶ。明らかに他の球児と違う軌道は、観衆のどよめきを起こす。父親は元中日選手、兄も現役の中日選手という恵まれた家庭環境も話題だ。

 堂上君の勝負強さの秘密は帽子にある。つばの裏にはいくつかの言葉が並ぶ。真ん中にあるのは、「自信」という角張った文字。高校入学の際に、兄に書いてもらった。「何でも自信を持ってやらなきゃ結果は出ないんだぞ」。兄に教えられた言葉を忘れたことはない。ピンチの時は、そっとつばを触る。試合中何度も手をやるため、文字は消えかけ、そこだけ茶色くなっている。

 昨秋の東海大会は好機に適時打を放ち、役割を果たした。今大会は、その「自信」を胸に、絶対に打てると信じて打席に立ってきた。

 今大会は5試合で16打数8安打。うち7本が長打だ。

 華々しい数字とは違い、素顔は純朴な恥ずかしがり屋。この日の試合後、主戦の斉賀洋平君とお立ち台でのインタビューに指名されると、バックスクリーンの大画面を見て「こんなの映っていいのかなあ」と照れる。斉賀君に「おめでとうございます」と頭を下げると、「何言ってんだ」と苦笑された。

 「お兄ちゃんは僕の目標」と慕い、帰宅すると毎日何時間でも試合のビデオに見入るほどの野球漬けの日々だ。

 「今日は夢みたいな日。うれしいけど、東邦と中京大中京にはまだ負けていると思っている」。堂上君は帽子に手をやり、夏の優勝を誓った。

    ◇

 「やった、優勝だっ」。甲子園で春夏を通じて初めて愛工大名電が優勝を決めた瞬間、生徒や卒業生、保護者らで埋め尽くされた一塁側アルプス席では、メガホンやチアバーが何度も打ち鳴らされ、スタンド全体が揺れるような大歓声に包まれた。

 この日、午前7時に名古屋市千種区の同校を出発したバスは42台。大応援団は午前11時過ぎから続々と、球場入りした。

 試合展開は、1回に先制し、その後も得点を重ねる名電ペース。様々な応援曲を披露した吹奏楽部は、好機を迎えるたびに演奏する「さくらさくら」を何度も演奏した。

 吹奏楽部の演奏とともにスタンドの雰囲気を盛り上げたのは、チアリーディング部「サンダース」の女子生徒18人。鮮やかな黄色のポンポンを手に、息の合ったダンスでアルプス席から選手たちをもり立てた。

 甲子園で野球部を応援するため、2年前に同好会として発足。この1日に正式に部になったばかりだ。終始リードする展開に、次第に優勝への期待が膨らむ。キャプテンの田中なみさん(17)は、試合終盤には涙目に。「選手たちはすごい。このまま頑張って下さい」と声援を送った。

 完投した斉賀洋平投手の父、寛さん(47)も、一塁側アルプス席から力投を続けた息子を見守った。「大事な場面でも制球がよい。去年の経験が生きている。息子は、貴重な経験をさせてくれた先輩たちに感謝しなくてはならない」と、目を細めていた。

 優勝が決まると、スタンドでは隣同士が肩を組むなどして、グラウンドの選手たちと一緒に校歌を歌った。続いて、選手たちがフェンス際まであいさつに来ると、「良くやった」「夏も頼むぞ」と声がかかり、惜しみない拍手が送られた。


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