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「国歌が流れている時から、いつもと違う雰囲気があった」。DF田中がそう語るように、日本への悪感情が残る重慶で試合をする限り、場内が相手びいきになるのはやむを得ないのだろう。
この日は、審判の判定もその空気に流されがちだった。前半6分、鈴木が押し込んだシュートは微妙な感じのオフサイド。12分には、タイが観衆に背中を押されるように、田中と中沢の連係ミスをついて先制した。
だが、日本に浮足立った様子はまったくない。「選手がいろんな戦い方に慣れてきている。そんな経験の裏付けだと思う」とGK川口。その後も、アラブ首長国連邦の主審のタイ寄りの判定を受けながら泰然自若として戦う日本。21分に中村がFKで同点とした時点で、逆転の予感は漂った。
後半からはジーコ監督が動いた。FWを玉田から本山に。DF田中に代えてMF小笠原も投入した。最終ラインを3バックから4バックにした。センターバックを3人から2人に減らす攻撃的な姿勢。相手のFWが1人だけで、前半はDFが1人余ったため、攻めに人数を割いたのだ。
もともとジーコ監督が好んで使ったフォーメーションで、3バックと併用してきたビジョンもここにきて生きた。チームに厚みが出てきたことを示した一戦だった。
(04/07/25)
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