|
サッカーのアジアカップ準決勝の試合前、そして延長戦に入る前、日本の円陣では同じ声が飛んだ。「出てないヤツらの分まで頑張ろう」
勝負事は、技術の前に気迫である。戦術の前に一体感である。
1人少ない状態で、一時は逆転した後半の攻め。中沢の起死回生のヘディングシュート。そして、延長前半の玉田のドリブルシュート。取られれば取り返す。「サブの重みをみんなで背負うという気持ちが執念を呼んだ」とGK川口は言った。
中3日の相手に対し、日本は中2日。立ち上がりから体が重く、出足が遅かったのはやむを得ない。バーレーンの3トップはいずれもスピードがある。中盤で球を取られ、対応に苦労した。
相手ともつれた時の手の動きを暴力行為とされた遠藤の不運な退場(前半40分)を機に、ジーコ監督も対抗する。中田浩と小笠原を投入。3バックを4バックへ、ボランチを2人から1人に減らし、攻撃的に出た。「あの選手交代にバーレーンは対応できていなかった」と宮本が話す采配(さいはい)。後半の立て続けの2得点が、前半の沈滞ムードを希望に変えた。
「死闘」に幕が下り、まだ出番のない藤田が、倒れ込んだ小笠原のもとに駆け寄り、ほおに手を当てた。ベンチから遠い玉田には山田卓が水を渡しに走った。
そして、遠路訪れた日本のサポーターに向かい、一番最後まで手をたたき続けたのは、「サブが腐ったらレギュラーがやりづらくなる」と話していた松田だった。
(04/08/04)
|