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世界陸上競技選手権大阪大会

開幕まであと3週間 注目の欧州勢は

2007年08月05日17時57分

 陸上のトップ選手が集結する第11回世界選手権(大阪・長居陸上競技場)の開幕まで、4日であと3週間に迫った。日本では東京大会以来16年ぶりの開催となる世界の祭典を前に、有力選手たちは国際陸上競技連盟が主催する欧州のグランプリ(GP)シリーズなどを転戦している。注目の欧州勢の動向を紹介する。

写真マルチな才能を発揮しているカロリナ・クリュフト=ロイター
写真パリ国際の男子三段跳びを制したクリスチャン・オルソン=ロイター
写真6月のオスロのゴールデンリーグで優勝したイシンバエワ=ロイター

■強豪スウェーデン 女王クリュフト盤石

 欧州の陸上王国と言えば、まず頭に浮かぶのはロシアだろう。だが、スウェーデンも伝統的に強い跳躍系を中心にスター選手をそろえ、注目が集まる。

 前回の05年世界選手権の金メダルは二つで、いずれも女子だった。7種競技のカロリナ・クリュフトと走り高跳びのカイサ・ベルクビスト。この2人に加え、アテネ五輪男子三段跳び金のクリスチャン・オルソン、同走り高跳び金のステファン・ホルムがいる。

 アテネ五輪も制し、世界選手権3連覇を狙うクリュフトは大阪でも優勝候補の筆頭だ。02年以来、負けがない。今年のローザンヌ国際の走り幅跳びを6メートル84で優勝するなど個々の種目のレベルが高い。“クイーン・オブ・アスリート”の称号は譲りそうにない。

 アテネ以降、けがに泣かされてきたオルソンは完全復調した。ゴールデンリーグは3戦2勝。パリ国際では今季世界2位の17メートル56をマークした。トレードマークの長髪を丸刈りに変え、イメージも一新。「自信を得た。世界選手権に集中している」。2年前のヘルシンキ大会はけがで欠場しただけに、思いは強い。

 昨年、室内で2メートル08の好記録をマークし、端正な顔立ちでも人気のあるベルクビストは今年のゴールデンガラ、モナコ国際で2メートル00をマークするなど「状態はいい」。ただ、今季世界最高(2メートル06)をマークしているブランカ・ブラシッチ(クロアチア)が好調で、金への道は険しい。

 ホルムはローザンヌ国際を2メートル28で制したものの、今季はベストが2メートル30といま一つ。身長181センチと小柄ながら、屋外の自己ベストの2メートル36に近づく跳躍ができれば面白い。

■棒高跳びイシンバエワ 狙う21度目の記録更新

 今、世界記録を狙える選手が、どれだけいるだろうか。女子棒高跳びで5メートル01の世界記録を持ち、屋内外あわせて20度の世界新をマークしたエレーナ・イシンバエワ(ロシア)は、数少ない選手の1人だ。

 04年アテネ五輪、05年ヘルシンキ世界選手権と続けて世界新で優勝。大舞台での勝負強さは折り紙付きだ。世界の強豪が集まるゴールデンリーグは3戦全勝と相変わらずの強さを見せつけている。ただ、今年はこれまでとは状況が少し違う。

 41センチ差をつけて圧勝した05年世界選手権とは打って変わり、ライバルの足音が聞こえている。今季、世界歴代2位の4メートル88をマークしたジェニファー・スタチンスキ(米)だ。イシンバエワは7月6日のパリ国際を4メートル91で制するまで、彼女に今季世界最高の座を奪われていた。「ライバルが出てきて幸せ。これまでは自分との戦いだった。彼女が私をハングリーにさせてくれる」。そう歓迎するが、本心はどうか。

 記録もかつてのように伸びていない。05年世界選手権の後、コーチは男子棒高跳び世界記録保持者のセルゲイ・ブブカ(ウクライナ)を育てたペトロフ氏に変わった。ただ、それ以降、屋外での記録更新はない。

 ライバルの存在、記録の伸び悩み。パリ国際を制して「重圧があった」と涙を浮かべたのは、そんなところに理由があったのかもしれない。

 もちろん、更なる進化を求めて改良は重ねている。助走スピードを上げ、踏み切りや空中動作の改善に取り組んでいる。さらにこれまでより硬くて長いポールを使いこなすため、筋力も強化した。明らかに大きくなった上半身は、トレーニングのたまものだ。

 男子棒高跳び日本記録保持者の沢野大地(ニシ・スポーツ)もイシンバエワのポールの違いに気づいていた。「これまではポールが曲がって、そこから上がっていたが、今はパンッとはじかれる感じになっている。難しいけど、はまれば跳ぶ」

 パリ国際と7月13日のゴールデンガラでは5メートル02に挑戦し、惜しくも失敗した。沢野の言う「はまる」瞬間は大阪で訪れるのか。「世界選手権で世界記録更新ができたら最高」。25歳の女王は大阪でどんな“舞い”を見せてくれるのだろうか。

■日本勢のライバル

 メダルを狙う日本勢のライバルは、欧州にも多い。

 世界選手権で初の金メダルを目指す男子ハンマー投げの室伏広治(ミズノ)は、今季の自己最高は79メートル24で世界ランキング11位。上位10人はすべて欧州勢だ。世界選手権3連覇を狙うイワン・チホン(ベラルーシ)は82メートル58で同1位。アテネ五輪6位のプリモジュ・コズムス(スロベニア)も82メートル台を記録している。

 池田久美子(スズキ)の出場する女子走り幅跳びは、今季の世界上位3人を独占しているロシアが強い。マドリードGPで今季世界2位の7メートル15をマークしたアテネ五輪金のタチアナ・レベデワでさえ「ロシア国内が強くて、世界選手権に出られるか」というほど。池田が越えなければならない壁は高い。

 男子棒高跳びの沢野大地には米国勢に加え、ローザンヌ国際で2位になったポール・バージェス、英国GPを制したスティーブン・フッカーの豪州コンビが立ちはだかる。両者ともパワフルな跳躍が持ち味だ。

 男子400メートル障害は米国勢が強いが、昨年の欧州王者で今季もコンスタントに48秒台をマークしているペリクリス・イアコバキス(ギリシャ)も侮れない。為末大(APF)や成迫健児(ミズノ)にとっては決勝進出を争う相手になる。

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