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FN第8戦もてぎ、井出有治が涙の初優勝を果たす

フォーミュラニッポン参戦2年目にして待望の初優勝を手に入れた井出有治(右から2番目)と、IMPULの星野一義監督(その左)。
2位はリチャード・ライアン(左)、3位はアンドレ・ロッテラー(右)だった
フォーミュラニッポン参戦2年目にして待望の初優勝を手に入れた井出有治(右から2番目)と、IMPULの星野一義監督(その左)。 2位はリチャード・ライアン(左)、3位はアンドレ・ロッテラー(右)だった
=写真はいずれもKLM Photographics J提供

抜群のタイミングでスタートを決めた井出有治がトップで1コーナーへ。チームメイトのブノワ・トレルイエと、ポールシッターの脇阪寿一が後ろについた。
抜群のタイミングでスタートを決めた井出有治がトップで1コーナーへ。チームメイトのブノワ・トレルイエと、ポールシッターの脇阪寿一が後ろについた。

優勝した井出の駆るmobilecast IMPULのマシン。
優勝した井出の駆るmobilecast IMPULのマシン。

熾烈な2位争いを演じたライアン(手前)とロッテラー(奥)。チャンピオンを争う両雄だ。
熾烈な2位争いを演じたライアン(手前)とロッテラー(奥)。チャンピオンを争う両雄だ。

 2004年10月24日、全日本選手権フォーミュラニッポン第8戦の決勝レースが、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。

 決勝日のフリー走行まで他の追従を許さなかったポールポジションの脇阪寿一だったが、スタートで手痛いミス。逆に予選3番手の井出有治が絶妙のタイミングでトップに躍り出た。勢いに乗った井出は、ピットインを挟んでそのままトップを守り切り、初優勝を飾った。

■脇阪寿一、渾身のアタックで今季初ポール

 前回のマレーシア・セパン戦からおよそ1ヶ月あまり。いよいよ今シーズンの闘いも終盤を迎え、気になるのはシリーズタイトルの行方となった。

 7戦を終え、ウィナーが5人という混戦を抜け出すのはどのドライバーなのか。土曜日の予選から熾烈な闘いが始まった。

 気温22度、すっきりとした秋晴れの空の下、午前10時35分に予選1回目がスタート。序盤からトップタイムをマークしたのは脇阪で、これにリチャード・ライアン、アンドレ・ロッテラーらが続き、まさにタイトル争いの縮図といった様相を呈した。

 さらにそこへ土屋武士、本山哲が加わり、予選終了5分を切ってからは、目まぐるしく順位が入れ変わった。

 この時点でのトップ3は、土屋、本山、脇阪というオーダー。だが、終了1分前に、服部尚貴が1分36秒683をマークし暫定ポールポジションをさらい、同様に自己ベストタイムを縮めたロッテラー、脇阪が2位、3位につけた。

 予選2回目は午後2時55分開始。気温、路面温度ともに1回目より3度近くダウンし、絶好のアタックコンディションとなった。

 開始直後から各マシンが続々とコースイン。セッティングの調整・確認を進めるなか、25分を経過した時点で、ライアンが予選1回目のトップタイムに肉薄するタイムをマーク。これを境に自己ベストタイムを更新するマシンが増え、残り15分となって本山が1分36秒594を出して、総合トップの座に立った。

 だが、その直後に脇阪が1分36秒018で逆転。本山もアタックを続けたが、マシントラブルでアタック中止を強いられた。

 その一方で、脇阪はさらにタイムを縮め、1分36秒009を記録。結局、予選終了までわずかとなった時間のなかで、自己ベストタイムを更新するドライバーはいたものの、トップタイムを上回ることはなく、脇阪の今季初PPが確定した。

 なお、2位、3位には、予選1回目にマシントラブルでアタックのチャンスを失っていたライアン、井出が続いた。

■IMPULの2台、グリッド2列目から弾丸スタート!

 吹く風がやや冷たいものの、決勝日も好天に恵まれた。

 午後2時30分に55周の決勝レースがスタート。完璧な予選で文句なしのPPにつけた脇阪だったが、ここでよもやのスタートミス。予選2位のライアンもやや出遅れ、その間隙を縫った井出、そしてチームメイトであるトレルイエがトップ2台を占領した。

 3周目、3位に留まった脇阪とトレルイエの差は、わずか0.1秒。パッシングポイントのすくないもてぎゆえ、早めに勝負をかけたい脇阪は容赦なしにトレルイエを攻め立てる。 

 そして、6周目のメインストレートでスリップストリームに入り、1コーナーのイン側を取った。だが、立ち上がりで2台が軽く接触。ともにコースアウトという、あっけない幕切れに終わった。

 タイトル争いに加わっていた2台が序盤に姿を消し、トップを快走する井出に続いたのはライアン、松田次生だった。

■ペナルティを受けたロッテラーが奮闘、中盤に3位まで復活

 7周目を皮切りに、各マシンが次々とピットイン。コース復帰後のポジションアップを狙い、無交換の作戦に出たチームもあった。

 だが、トップの井出は、満を持して21周目にピットへ戻る。この間、ロッテラーにトップの座を譲ったが、そのロッテラーも26周目にピットイン。序盤にピット作業を終えていたライアンが2位に戻り、ロッテラーが3番手となった。

 なお、ロッテラーはスタートでのフライングが原因でドライブスルーペナルティを課せられ、9周目にピットインを強いられたが、復帰後はハイペースで周回を重ねて3位へと浮上する。

 その一方で、中位グループは縦一列の混戦模様。テール・トゥ・ノーズの攻防戦を繰り返すが、ポジション入れ替えまでには至らず、しばらく沈着状態が続いた。

■トップ井出、独走で初勝利を掴む

 レースは終盤を迎え、トップの井出は安定したペースをキープ。逆に、ペースの上がらない2位ライアンに、後方のロッテラーが差を詰めてくる。

 ライアンを射程距離にとらえたロッテラーは、再三にわたりハードプッシュ。だが、パッシングが難しいもてぎのコースレイアウトを味方につけたライアンが、これを巧みにかわして逆転のチャンスを与えない。そこでタイトル獲得の可能性を持つロッテラーは、リスクを避けてポジションキープを選択。ライアンに続き、3位でチェッカードフラッグを受けた。

 トップでゴールした井出は、フォーミュラニッポン参戦2年目。待望の初優勝を果たし、シリーズポイントでも3位に浮上している。

 なお、第6戦で発生した接触事故に関するトレルイエへのペナルティに対し、チームが控訴していた件で、JAFが第8戦開幕を前に裁定結果を発表。これにより、JAFモータースポーツ審査委員会はこの控訴を認め、トレルイエのペナルティを取り消した。

 告知から7日以内に当事者が控訴しない場合、ペナルティ取り消しが最終確定される。

 もてぎでの闘いを終え、暫定ポイントトップはロッテラーの33点。ライアンが29点で2位、3位井出は26点となり、今季のチャンピオン争いはこの3人に絞られることになった。

 次はいよいよ鈴鹿での最終戦。決勝レースは11月7日に開かれる。

(文=島村元子)

(10/25 17:27)









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