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三洋、終了間際の逆転 ラグビーMS杯

2008年2月18日11時36分

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 ブーッ。後半40分間の終了を告げるサイレンが響いた。最後のプレーかもしれない。3点を追う三洋電機、ゴール寸前の左隅でラック。ブラウンも人垣に駆け寄る。「行くしかない」。冷静な司令塔が力ずくで仕掛けた。数十センチの狭いサイドを潜る。逆転トライ。心理戦に決着をつけた。

 その数時間前、三洋の選手は違う音色の「サイレン」を耳にした。チームバスの中、榎本主将が窓と間違えて開けたのは非常口。「緊張しまくりでした」。リーグ全勝、勝って当然、の重圧はプレーを縮こまらせた。

 一方、リーグ4敗の東芝には開き直りにも似た勢いがあった。接点を制圧し、球を動かし続ける今季の三洋の強みを逆に実演。後半31分に一度は8点差と離した。分岐点はここだった。両者の内面に変化が起きた。

 「逃げ切ろうと考えてしまった」(大野)と東芝の積極性が薄れる。その姿に、榎本は「思い切り展開すれば防御に穴が開く」と気づく。3点差に迫る北川のトライは小気味いいつなぎから。逆転のそれはカウンターから北川が右を疾走し、大きく左に振った結果だ。

 「やっと女神が降りてきたかな」と宮本監督は息をついた。三洋の歴史は悲運の歴史だ。神戸製鋼7連覇の時代は惜敗続きの引き立て役。社会人大会で唯一優勝した95年度も決勝はサントリーと同点、トライ数で日本選手権進出を逃した。最後の数分間で本来の姿を取り戻した今度こそ。決勝は過去と決別する舞台でもある。〈17日、三洋電機25―21東芝〉

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