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見て楽しいやって楽しいラグビー 三洋、日本選手権初V

2008年03月17日10時42分

 三洋電機の宮本監督は一刻も早く歓喜に浸りたかった。大差に試合終了を待ちきれず、戦況を見つめる観客席最上段から階段を下り始めた。途中、先達の宮地元監督に握手を求めたら、首を振って拒まれた。「まだや。最後まで何が起きるかわからんのが三洋や」

 たしなめられた宮本監督、苦笑交じりに振り返る。「確かに、いろんなことがありました」。逆転負けに惜敗。神戸製鋼7連覇をはじめ王者の陰で泣き続けた時代に、やっと終止符を打った。

 三洋といえば駆け引きに疎い。弱みの改善が初の頂点につながった。

 3週間前のマイクロソフトカップ決勝。サントリー得意のモールに何ら手を打たず屈した。「今回ばかりは策を練った」と監督。人数を費やし、相手FWの塊をばらけさせた。起点の優位はバックス防御に好影響を及ぼす。相手のサインプレーを、読み切ったかのように止めた。主将の榎本は「FWが前に出てくれたので、相手の動きを見極めやすかった」。

 試合の入り方にも工夫があった。大一番になると手堅さを志向するブラウンが「テンポの速いうちのペースに引き込むため、先手先手で攻めた」。立ち上がりから大胆に揺さぶりをかけ、前半16分までに17―0。完勝への布石となった。

 試合終了。宮本監督が泣いた。グラウンドでは選手が輪になり、榎本が笑った。「よし、ハッピー・サンヨーだ」

 見て楽しい、やって楽しいラグビーを求めよう。それは今季の合言葉だったという。悲運を知らない世代が新しい歴史を紡ぐ。

 (16日、三洋電機40―18サントリー)

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