「来季は五輪の予行演習みたいになる」と話す高橋=坂上写す
フィギュアスケートの高橋大輔(22)が、優勝候補とされながら4位に終わった3月の世界選手権(スウェーデン)を改めて振り返った。精神面の課題、靴の調整不足、こだわった末の失敗……。約1カ月前の出来事について、「結果は全部受け入れている。すべて経験になった」ときっぱりと言った。
世界選手権の後、友人と2泊3日の旅に出た。スケート靴を持たない旅は初めてだったという。今春、関大文学部を卒業し、大学院に進んだ。「みんな社会人になって1人残されている感じもする。でも、これからもっとスケートに集中する」。20日、さいたまスーパーアリーナで開かれる3地域対抗戦ジャパンオープンに出場する。
2月の四大陸選手権(韓国)で世界歴代最高の264.41点を記録した。日本男子初の優勝を視界に入れ、世界選手権前にオランダ合宿をした。そこでいったん高まった気持ちを、大会中に再び持ち上げることに苦しんだ。右足親指も痛めていた。四大陸選手権で履いた靴がフィットせず、オランダで急きょ取り換えた靴の調整不足もあった。
目標とする10年バンクーバー五輪へ「実績を残す」ことは失敗した。だが、「経験を積む」という点では意味があったと感じている。
「今回は基本的に自分がすべて決めてやった。ニコライ(・モロゾフ・コーチ)はいろいろ尋ねてきたけど、僕がこうやると決めた。だから悔いはない。結果的に改善点が見つかった」
自由で4回転ジャンプを2度跳ぶかどうかも、決めた。五輪を見据えた「自分なりのこだわりだった」が、2発目で転倒。4回転を跳ばなかったバトル(カナダ)が優勝し、4回転不要論まで出たが、「ジュベール(仏、07年優勝)だって、ランビエル(スイス、05、06年優勝)だって4回転は跳べる。みんなが完璧(かんぺき)にやった時に、(4回転から)逃げて勝てるかどうかは疑問。だったら今から入れてやりたい。できるんだから」と納得だ。
「突っ走ったシーズンだった。来季は、本当に大事な試合にどれだけあわせられるか。バンクーバーまで、あっという間ですからね」。少なくとも一つは階段を上がった手応えを持ちながら、五輪プレシーズンに臨む。(坂上武司)