王座奪回を目指す石井
柔道の全日本選手権(29日=東京・日本武道館、朝日新聞社後援)で石井慧(さとし)(21)=国士大=が王座奪回と北京五輪切符の獲得を目指す。けがで今月6日の全日本選抜体重別選手権を欠場し、100キロ超級の五輪代表争いはがけっぷち。それでも「全日本で一番になって北京に出たい」とあきらめていない。
全日本男子の斉藤監督が「世界一」と認める練習の虫だ。柔道だけでなく、レスリングや柔術の道場にも1人で出かけて腕を磨く。「強くなりたい」という思いが、石井を駆り立てる。だが今回はそれがあだとなった。
今年に入って欧州、中央アジアと転戦が続いて疲労がたまっていたにもかかわらず「休みを入れずにトレーニングしてしまった」。3月25日の練習中に左尻を負傷し、重要な五輪選考会の選抜体重別に出場できなかった。
嘉納杯東京国際、オーストリア国際、カザフスタン国際と連勝。「このままいったら北京に行けるという思いが空回りした。あせって張り切り過ぎ、自分を見失ってしまった」
不安を抱えたままの大会となるが、若さの勢いはある。06年に史上最年少の19歳4カ月で全日本王者につき、前回も決勝に進出。昨秋に100キロ級から階級を上げて以降は無敗だ。斉藤監督は「経験も積み、体重も増えてパワーがついた」と話す。
順当にいけば、準決勝で代表争いのライバル、棟田康幸(警視庁)とあたる。「先に組んで動かして、激しくいく」。万全ではないが「ここで(代表が)決まるんで、とやかく言っていられない」と腹をくくる。(柴田真宏)