2009年9月18日17時51分
出陣式を前にした記念写真に納まる石原都知事(中央)ら=上田幸一撮影
40分ほどの「遅れ」が、想定とのずれを物語っていた。
今月2日。東京など16年五輪招致を目指す4都市に関する国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会の評価報告書が午後9時、IOC公式サイトに載った。東京招致委のコメント発表は1時間後を目安にしていたが、実際は午後10時40分ごろになった。
A4判の報告書には各都市それぞれ16〜17ページにわたる詳細な記述があり、さらにそれらを各都市ごとに1ページ強の分量にまとめたサマリー(要旨)も載っている。ある招致委幹部が明かす。「サマリーだけを読んで事前に用意したコメントを出すつもりだったが、厳しいことが書いてあった。何だこれは、と詳細を読み、こっちがPRしたことは認めてくれているから、いいかということに。知事コメントは少し表現を変えたが」
予想外だったのは「3分の2が『既存』とする競技会場は、実際は半分が『改修』『新設』の必要がある」と指摘された点だ。競泳など夢の島の会場の多くは既存としながら新設や改修が必要だ。
招致委は、既存になぜこだわったのか。一つは64年東京五輪の「遺産」を生かすコンセプトの強調、もう一つは「インフラ整備の予算が膨れると都民に批判されて支持率にも響く」との懸念からだ。
細かい指摘は他にもあった。「五輪スタジアムと選手村周辺の交通渋滞」「選手村用地の狭さ」……。昨年6月の1次選考では総合評価1位だったが、今回のサマリーの締めは「質が高い」と平板な表現だった。一方、1次選考は7都市中5番目のリオデジャネイロ(ブラジル)は、治安、インフラで不安があるにもかかわらず、今後の改善の可能性を認められ、「極めて質が高い」と記された。