現在位置 :  asahi.com >  スポーツ >  ラグビー >  コラム・ノーサイド!  > 記事 ここから本文エリア

トミーのラグビーコラム・ノーサイド!

世界との差はなぜ縮まらないのか

2006年08月28日

 サッカーの祭典「FIFAワールドカップ」が地球規模で盛り上がり、イタリアの優勝で幕を閉じたことは記憶に新しい。6月から約1カ月間、眠い目をこすりながら毎晩テレビの前にかぶりついていた方も多いと思う。

写真

ラグビー日本代表初の外国人ヘッドコーチ、ジャンピエール・エリサルド氏

写真

パシフィック5ネーションズのトンガ戦で前半15分、トライを決めるWTBオト選手(右端)=2006年6月4日、北九州市の本城陸上競技場で

写真

2003年ラグビーW杯・スコットランド―日本戦で前半14分、ペナルティーキックで、日本チーム初得点を決めた広瀬佳司=宮田永明(JS)撮影

写真

2003年ラグビーW杯・日本―フランス戦で前半9分、SOミラーからのパスを受け突進するWTB小野沢宏時(中央)=宮田永明(JS)撮影

 そんな中、われらがエリサルド・ジャパン(ラグビー日本代表)も世界の強豪相手に戦っていたという事実は、残念ながらラグビーファンのみに閉じられた事実であったといっても過言ではない。

 ■厚い「世界の壁」

 戦っていた舞台は「パシフィック5ネーションズ」(P5N)という大会だが、出場5カ国中0勝4敗で最下位の5位、得点48、失点177と、さんざんな結果であった。(日本が優勝争いを演じていれば、メディアにももう少し露出したのでは?と思う)

 「世界との差は、縮まるどころか広まるばかり」。ため息が聞こえてきそうな素直な感想。

 歴史をさかのぼると、ラグビー日本代表は、1987年から開催されているワールドカップにアジア代表として5大会連続で出場している。アジアでは王者でも、世界という大海原では、プロ化の波に飲まれ、完全にラグビー大国から置いてきぼりをくらっている。

 「1勝15敗」。これが日本ラグビーの現実である。世界ランキングでいえば20位。ラグビーは、サッカーと違い実力差が顕著に表れるスポーツだ。第1グループとされるニュージーランド、フランス、南アフリカ、オーストラリア(以下アイルランド、イングランド、スコットランド……と続く)と、20位の日本代表が試合をした場合、現状50点以上の点差がつくことは否めない。

 それでは、その差とは? ひとつは国民性、民族性であろう。ラグビーが国技であるニュージーランドでは、男の子が産まれてきたら、記念でラグビーボールが贈られるそうだ。日本でそのような話は、まず聞いたことがない。

 また、あくまでも個人的な独断だが、農業を主として生活を営んできた日本人は、狩猟を主としてきた欧米人よりも「獲物を刈る」といった闘争本能にどこか劣るのかもしれない。

 ■日本にもチャンスはある

 かといって、悲観的になることはない。日本人には日本人のよさを生かした戦い方がある。

 体型的には諸外国のチームに劣るが、それを補う「スピード」がある。そのスピードは、考えるスピード、リアクションスピード、試合のスピードと、それらは意識でカバーすることができる。そのスピードを全面に押し出し、かつ80分間持続することができれば、第2グループとも対等に戦えるだけのポテンシャルを持っている。

 あとは気迫のタックルか。グローバルスタンダードは、「キルド・ザ・ボール」。ボールを殺すタックル=すなわち上半身へのタックルだが、日本は大きな相手が嫌がるような低いタックルをひたむきに見舞うことが、生命線だろう。

 現に2003年のワールドカップでは、初戦のスコットランド戦(6-15)、第2戦のフランス戦(16-20)、第3戦フィジー戦(13-16)、第4戦アメリカ戦(10-20)と、いずれも前半のスコアのみだがいずれも10点差以内の熱戦を演じている。これは、ひたむきで、低く粘っこいタックル故の結果だと思う。(特にSH9 辻選手のタックルは、相手をイライラさせる低いタックルを連発)

 世界との差はまだまだあるが、「スピード」と「タックル」を磨くことで、自分達の強みがだせるのではないか。

 国内最高峰のラグビー「トップリーグ」が、9月1日から開幕する。年々レベルは向上している。日本ラグビー全体の発展のために、トップリーグのさらなる発展が重要であろう。


【プロフィール】 

トミー (本名:冨澤浩明)

 1975年生まれ。神奈川県鎌倉市出身。現役時代のサイズは身長162cm、体重66kg。経歴は以下。
 鎌倉ラグビースクール目黒高校(現目黒学院):第51回全国高校ラグビー大会ベスト8→関東学院大学:第33回全国大学選手権ベスト4→NECグリーンロケッツ:第40回日本選手権優勝

 現役生活は18年。ポジションはスクラムハーフ一筋。NEC在籍時、日本選手権初優勝を機に、気分よく28歳で現役引退。引退後は会社員として働くかたわら、ラグビー人気復活のために子供達を指導したり、各種コラムを執筆中。趣味はロングボード、坦々麺食べ歩き。休日はラグビー指導、ロングボードに明け暮れる。ラグビー以外のスポーツではカバティにも興味あり!? 悩みは、初対面の人にラグビーやってましたとアピールしても殆ど信じてもらえない事。夢は自分が育てたスクラムハーフが日本代表として活躍する事。

写真・トミー
ここから広告です
ここから広告です
広告終わり

PR情報


ここから広告です
広告終わり

スポーツコラム

〈春メジャー〉
英語「堂々と間違えています」
レッドソックスの松坂は29日、2月中旬に始まったフロリダ州フォートマイヤーズのキャンプを打ち上げた

どらく DO楽

誰とでも仲良くできます♪
スコティッシュフォールドってどんな猫?ペットのお悩みご解決!
お父さんのお稽古
蜷川幸雄さん登場

特集

英訳版コミックス特集
英訳されている日本の「Manga」、「ぎゃぼーっ」を英語に直すと…?
住まい玄関ドアカーテンのナゾ
ショッピングお花見ティータイム
健康医師の処分、ネットで検索
教育「一家に1枚 宇宙図を!」
BOOKもっとモテる男になる方法
囲碁趙十段が2連勝 囲碁十段戦
クラブA&AダンスPJT始動!大浦みずき
就職・転職2月の失業率、横ばい
トラベル愛の旅人、杉田久女
愛車特別仕様車を探せ!
デジタル超薄型ステレオスピーカー
中国特集温首相、来日の日程固まる
将棋橋本七段、松尾六段が昇級
文化・芸能カッコイイ!!男のゲーム

マイタウン(地域情報)

∧このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.