(5日、西武8―6日本ハム)
あまりにも対照的な光景だった。バットを放り投げた5番G・G・佐藤が余韻を楽しむように歩みをゆるめ、今季初めて一発を浴びた武田久がぼうぜんとしたまま打球が入ったバックスクリーン右を見つめる。8回2死一塁。6点差をはね返した西武の逆転劇が完結した。
潮目を変えたのは8番細川の一振りだ。5回無死満塁、甘い変化球を左翼席ポール際へ。6回、3番中島の左越えソロで1点差に迫り、8回は2死二塁から4番ブラゼルの中前打で同点とし、G・Gを迎えていた。
こどもの日と重なり、今季最多の3万5千人近い観衆で埋まった西武ドーム。プロ野球選手を夢見る少年たちが西武打線から見習うべきことは、フルスイングだろう。
口火を切った細川は言う。「高めにきたので思い切って引っぱたいた」。ブラゼルは「自分のスイングが出来た」。G・Gも、振り切った当たりだった。3人に共通するのは最初のストライクを仕留めたことだ。キャンプからチーム全体で徹底してきた初球からの思い切ったスイングが、功を奏した。
左ひざのけがから5試合ぶりに復帰した中島が試合前にこぼしていた。「休んでいる間にG・Gやボカチカがホームランを打った。自分も早く試合に出たい」。36試合を終えてチーム51本塁打はシーズン200本超ペース。他チームにとって、上位、下位問わずに振り切る西武打線は怖い。(八鍬耕造)
○渡辺監督(西) 「5回の細川の満塁本塁打で何とかなるという雰囲気が出た」。貯金は今季最多の9。
○大久保打撃コーチ(西) 「(6点差は)ふつう逆転できない。あいつらの実力」
○G・G・佐藤(西) 8回の勝ち越し2ランについて「手応えはよかった。一発は狙っていない」。
○ブラゼル(西) 子どもたちに「ホームランを打てなくてすいません。同点打で喜んでくれるでしょう」。
●梨田監督(日) 6点のリードを守りきれず。「今日のような試合をやっていちゃいかん」
●武田久(日) 「球が高めに浮いてしまった。こんなことじゃダメですね。もう、いいですか」