【酒瀬川亮介】陸上の長距離選手によく見られる貧血対策として、当然のように使われているのが「鉄剤」だ。しかし、その効果を過信し、ジュニア時代に大量投与した結果、逆に造血能力が衰えるなど、体に悪影響を及ぼす例が出ている。
「言葉は悪いが、覚醒剤中毒みたいなもの」。ある指導者はそう話す。
鉄剤には内服薬、サプリメント、静脈注射があるが、特に問題の大きい「注射」の依存に陥るサイクルをこう説明する。
▽体重が軽い方が効率がよいので食事を制限する▽練習で貧血になる▽目先の試合を重視し、指導者が鉄剤の注射で対応する▽急激な回復効果を実感して選手も依存し始める。
「こうして骨はもろく、筋肉や腱(けん)が弱くて、造血能力がない選手ができる。最近は少し沈静化したが、2000年ごろから10年間くらいは使う学校が増えてひどい状態だった」
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