東日本大震災の津波で校舎もグラウンドも壊滅した宮城県気仙沼向洋の斉藤弘樹君(3年)が、甲子園で第1試合の始球式に臨んだ。
3月11日、津波は海から約200メートルの校舎4階まで押し寄せた。練習中の部員は津波に追われながらも無事に逃げ切ったが、野球道具も、昨夏の宮城大会の準優勝盾も一時流失。斉藤君に残ったのは逃げる時に取りに戻ったグラブだけだった。
それでも、全国から贈られた野球道具で、グラウンドを借りながらも練習は再開できた。優勝でその支援に応えたいと戦ったが、宮城大会は2回戦で敗退。
そんな中で得た甲子園のマウンド。大きな拍手の中、高校生活の最後の一球を投げ込んだ。「違う形だけど、夢の舞台で投げられた。何もないどん底から支えられてやってきた、感謝の気持ちを全力で込めました」(木下こゆる)