日本サッカー協会が創設されるきっかけとなったトロフィーがある。1919年にイングランドのサッカー協会(FA)から贈られたFAシルバーカップ(銀杯)。45年、第2次世界大戦で貴金属献納のため没収されてしまったが、このたびFAの協力で復刻されることになった。
FA銀杯は日本でのサッカー普及のために贈られた。ところが、日本にはサッカー協会がなく、受け取り手がなかったという。大日本体育協会の嘉納治五郎会長が受けとり、急きょ、21年に大日本蹴球協会が誕生。天皇杯の前身の大会の優勝チームに贈られるようになった。
協会の創立90周年を記念して復元しようと、今年3月に日本サッカー協会の小倉純二会長が、制作の許可を受けにFAに聞いたところ、FAから「親善のためにも、自分たちで制作してもう一度寄贈したい」と申し出があったという。
新しい銀杯は23日、ロンドン・ウェンブリースタジアムのFA事務所で渡される。銀杯は再び天皇杯の優勝チームに渡る予定だという。授与式に臨む小倉会長は「本当にありがたい。戦争が二度と起こらないようにする証しとしたい」と話している。(河野正樹)