勝ってみんなに恩返しを――。ロンドン・パラリンピックでボッチャに初めて出る加藤啓太選手(24)=名古屋市西区=は、これまで支えてくれた家族やまわりの人たちへの感謝を胸に夢舞台に立つ。
3月下旬のある夜、岐阜県羽島市内のファミリーレストラン。父の雅昭さん(60)らと食事を取っていた加藤選手に、日本代表内定の知らせがきた。鳥肌が立ち、自然とうれし涙があふれた。
生後3カ月で原因不明の窒息により重度の脳性まひを負った。知的障害はないが、話すこと、歩くことがままならない。他人とのコミュニケーションは電動車いすにくくりつけた五十音表を指さして伝える。幼少のころは自宅でテレビを見て過ごすばかり。小学校から高校までは地元の名古屋養護学校に通った。