【第6日、陸上男子400メートル(車いす)】
「グッド・レース。ユー・アー・チャンピオン」。陸上男子400メートル(車いす)で2位だった伊藤は、1位の若手米国人選手に声をかけた。新しい選手に王者を引き継ぎ、安心して引退できると思った。
34歳で病気になり、間違えて競技用車いすを注文してこの世界に飛び込んだ。世界王者の背中を追いかけ、頑張ることができた。病気の進行もあって北京大会後に引退と考えたが、そこで2冠を獲得。「僕を超えようと努力する者に自信を持たせるためにも、王者は負ける責任がある」と競技を続けた。49歳は、責任を果たした。
私たちがランニングについて知っていることはどれもすべてまちがいだった――全米20万人の走りを変えたベストセラー