日本テレビ放送網からの株式授受を発表し、記者会見する崔暢亮会長(左)と小湊義房前社長=9月16日、東京都稲城市の東京ヴェルディクラブハウス
創設40年のサッカー名門、東京ヴェルディが存廃の岐路に立っている。再建を目指す新運営会社が示す来年度事業計画が不十分なら、Jリーグはこれまで前例のない退会とする条件を出しているためだ。期限は16日。新会社には実績がなく、Jリーグでは事業計画に懐疑的な見方も出ている。
東京ヴは昨年、Jリーグ2部(J2)に降格。今年9月に筆頭株主の日本テレビ放送網が経営から撤収、前身の読売クラブOBらが設立した持ち株会社「東京ヴェルディホールディングス(HD)」への98.8%の株式譲渡が決まった。Jリーグからは、5億4千万円のスポンサー契約確定など来季運営の見通しを示すことが存続条件とされた。
その期限の16日に向け、HDの幹部が足しげく文京区のJリーグ事務局を訪れている。J2実行委員会のあった11日にはスポンサー企業との契約額を記した書類を提出。東京ヴの崔暢亮(さい・のぶあき)新会長は「非常に順調」と強調した。自治体との連携強化にも着手。言葉の端々に復活への理念やOBとしての熱意も込める。
ただJリーグ側は企業の実態や契約の実現性を慎重に精査する考えだ。新会社は資本金2千万円で7月に設立されたばかり。鬼武健二(おにたけ・けんじ)チェアマンは「実績のない会社。相当中身を洗っている」と話す。
Jリーグ草創期に2度優勝した東京ヴだが、チーム名に企業名を入れる主張をするなど、Jリーグの地域密着の理念と逆行。ファンは根付かず、毎年10億円以上といわれた赤字補填(ほてん)を日本テレビも続けられなかった。そんな経緯もあり、Jリーグ内に「日本テレビがクラブを放り出したかった時期に突然、ファンド会社のような組織が名乗りをあげた」(幹部)と懐疑的な見方が根強い。