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競技場の門につかまりながら声援を送る日本のサポーターたち=8日午後、バンコクのスパチャラサイ競技場で |
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先制点が入り喜び合うサポーターたち=8日午後9時9分、東京・国立競技場で |
白いボールが北朝鮮ゴールに吸い込まれる。1年後に開幕する06年サッカー・ワールドカップドイツ大会への日本代表の出場が8日決まった。異例の無観客試合。静かなピッチに、選手たちの歓声が響いた。感動はバンコク、そして日本で声援を送り続けたサポーターの間で広がった。
◇日本で
大型ビジョンに試合の中継画像が映し出された東京・国立競技場のパブリックビューイング(朝日新聞社などでつくる実行委員会主催)では、2万2000人のサポーターが、目の前で試合が行われているかのように大声援を送った。ジャパン・ブルーに染まった観客席はゴールのたび総立ちとなり、歓声、雄たけびが飛び交った。
長野から応援に駆けつけて午前中から入場待ちの列に並んだ会社員吉田哲郎さん(32)は、勝利が決まると仕事仲間たちと抱き合い、「大黒のゴールに感動した。日本はW杯で優勝を狙えるチームになった」と叫んだ。
開場とともに場内に駆け込んだ横浜市の島田瑞希さん(25)は「ほっとしたのと喜びと。勝ってかぶとの緒を締めよです」と本大会への期待を口にした。
4日(日本時間)のバーレーン戦は現地で応援したという東京都世田谷区の会社員土手卓子さん(34)は「テレビでの応援じゃあ気持ちが伝わらない」と、会社を休み、早朝から列に加わった。柳沢、大黒両選手のゴールに「私たちの声が届いたんだと思う」と涙で顔をくしゃくしゃにした。
◇バンコクで
8日午後5時35分(日本時間同7時35分)、キックオフ。3万人以上入れるスタンドはほぼ無人だが、スタジアムの外に詰めた日本人サポーターの「ニッポンコール」や太鼓の音が風に乗ってピッチに届く。
試合時間を示す電光掲示板は動いていない。選手がボールをけるたびに、「ボムッ」と鈍い音が聞こえる。指示を出すGKの川口選手の甲高い声が響く。激しい接触プレーで転倒した選手の悲鳴が生々しい。鳥のさえずりも聞こえた。
日本からの報道陣は約300人。アジアサッカー連盟からの注意点は、「日本代表チームの青いTシャツを着てこないこと」。記者たちがサポーターではないことを示してほしいという趣旨だ。
しかし日本人記者たちもピンチの場面では息を詰め、チャンスでは拳を握りしめていた。
一方、北朝鮮側は約50人がスタンドの一角に座り、拍手したり歓声を上げたり。日本側より派手な応援ぶりだった。
地元、タイ字紙マティチョンのジェサダさん(41)は「ワールドカップの決勝のような取材風景だ」と、日本からの報道陣の多さに驚いた様子。英字紙ネイションの記者(30)は、スタジアムの周りに詰めかけた日本人サポーターについて、「なんで日本人は試合が見られないのに、こんなにやってくるの」と話していた。
スタジアムの外では日本から駆けつけたサポーターらが気勢を上げた。
「俺達(おれたち)の想(おも)い すべてこの幕にたくす」の約10メートルの横断幕がスタジアム裏に掲げられた。東京都杉並区のアルバイト店員西田慎吾さん(23)が、白い布に黒いスプレーで文字を吹き付けて完成させた。5日にバーレーンからバンコクに。「日差しがなくても暑い」。汗をふきながら横断幕をつくった。