原発用の核物質や技術を軍事転用すれば、核兵器開発に使える。平和利用名目で原子力開発を進めた北朝鮮が核保有宣言したのは、その実例だ。イランでも核疑惑が膨らんでおり、信頼に傷がついた核不拡散体制の立て直しが急務になっている。
核爆発を起こせる濃縮ウランやプルトニウムを、どこかの国がこっそり手にしたり、軍事転用したりできないようにする。その徹底が焦点だ。
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多国間管理構想 核燃料製造用のウラン濃縮、プルトニウムを取り出す再処理を多国間の相互理解で進める方法として、IAEAの国際専門家グループが昨年2月に提示。市場を通じた核燃料の安定供給の約束▽国際的に供給を保証する「核燃料バンク」の創設▽すべてのウラン濃縮、再処理施設を多国間の管理下におく――などの複数案を併記。
国際原子力パートナーシップ(GNEP) 米国が今年2月に提案。世界の国々を、米国や日本を含む原子力先進国と後発の原子力利用国(主に途上国)の二つに分ける。核燃料製造や再処理は、原子力先進国のみに限定し、核拡散を防いでいく。これを受け入れる原子力利用後発国に対して、核燃料を安定供給する仕組みもつくる。
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これまでの主要な提案には、米国の「国際原子力パートナーシップ」(GNEP)と、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長が推す「多国間管理構想」がある。どれが世界の主流となるのか。先行きは不透明だが、1970年に発効した核不拡散条約(NPT)だけでは不十分との懸念が背景にある。
被爆国である日本はNPTを足場に核不拡散外交に力を入れている。同時に、平和利用のための核燃料サイクルも進めている。ウランで作った核燃料を使い終わった後に再処理し、プルトニウムを取り出して核燃料に使う。それが核燃料サイクルだ。大規模な再処理工場を持つのは、非核国では日本だけだ。
問題は、核不拡散をめぐって、日本からの提案が乏しいことだ。日本の核燃料サイクルに悪影響が及ぶかどうかに目が向きがちで、NPTを補完する枠組みづくりで目立った動きをしてこなかった。
GNEPについても、「米国が核燃料の再処理を再開する方向を示したことは、六ケ所村(青森県)で再処理工場の稼働をめざす日本にとって朗報」(原子力関係者)との反応が主で、不拡散体制の再建に本腰で取り組む姿勢はまだ見られない。
だが、外務省内には「日本ばかりが独自の核燃料サイクル計画を進めることには限界がある。何らかの形で多国間の枠組みの中に入っていくことも必要になってくるのではないか」(中堅幹部)との見方もある。
核燃料サイクルについては経済性から疑問が残るが、計画を進めるのであれば、独自路線に固執するばかりでなく、多国間の枠組みで核不拡散体制を強化する先導役を担うことも検討すべきだろう。
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