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フィンランドシンポジウム「ユビキタス社会――通信の革新と未来」
パネルディスカッション(1)
テーマ「新たな未来を切り開くユビキタス技術」

 田中 それでは、早速始めたいと思います。私、今回のパネルディスカッションの進行を承りました田中と申します。皆さん、よろしくお願いします。

 まず最初に、パネリストの皆さんに、5分ぐらいの短いプレゼンテーションをしていただきまして、その後で討論に入りたいと思います。

 まず最初に、テリア・ソネラ社長のユホ・リプサネンさん、お願いいたします。

写真

ユホ・リプサネン氏

 リプサネン ありがとうございます。ユホ・リプサネンです。テリア・ソネラ・フィンランドの社長を務めています。テリア・ソネラは100億ドルのグループで、基本的に北欧諸国、バルト海を囲むセブンシスターズみたいな地域、それからユーラシアやトルコ、ロシアにも関係会社を持っています。北欧とバルト海の7カ国地域では、1500万の携帯電話並びにおよそ1000万の固定電話、あるいはブロードバンド、それからロシア、トルコそれぞれに大体3000万、それからユーラシアは700万、ですから、テリア・ソネラ全体をとりますと、一部重複した顧客がいますが、およそ1億の非常に大きな領域にまたがっています。

 私たちのビジョンはシンプリシティということです。しばしばユビキタス社会を語るとき、人間のスキル(技能)ということを忘れがちです。供給が増大する中で一緒に伸びる人間のスキルを忘れがちです。

 ヨーロッパの姿と、日本やアジアの姿を見る場合、携帯の成長、少なくとも北欧諸国の携帯の成長には相当苦労したということです。一般にビジネス向けであるというふうに見られたわけです。日本の場合はエンターテインメントのために使っており、携帯の環境にいろんなメディアをもたらしています。そういった意味では、日本は人間的な側面でははるかに先んじています。しかし、北欧諸国は法人部門では非常に進んでいます。ITと通信技術をどうやってお互いに共鳴させるのか、融合させるのかということです。

 ユビキタス社会、よく情報社会というふうに言われます。非常にビジネス的な表現だと思いますが、ITと通信をどうやって共鳴させるか。データを常に入手できなければいけません。わかりやすくなければいけないし、リアルタイムでなければいけないと言います。

 速さと同時性という環境がととのった場合、こういった発展の結果はどうなるでしょうか。北欧、あるいはヨーロッパの活動を見ますと、ほとんどの工場は、日本のコピーですが、自動化され無駄のない生産をしています。しかし、今、工場はどんどん閉鎖され、中国に移動しています。工場労働の多くは自動化され、外部委託化されています。しかし、工場労働者に比べて人件費が高く、中国へ移転したり外部委託化のできないオフィスの人々には何が起きているのでしょうか。こういった人々向けに大きな好機があります。シンプリシティに加えて、エリートや会社の中で最も人件費のかかる人々の生産性を最大化すること、それが生産性向上の次のターゲットだと思います。おそらくその結果、ある程度失業も生まれるでしょうが、聡明な人々は大体生産性を高めて、新しいアイデアを開花させることでしょう。

 エリートの生産性を最大化するということが、ビジネス志向のユビキタス社会の大きな目的でした。しかし、こういったことが楽しい部分とつながらなければいけないのです。生産性は高く、また楽しいということが、これから求められるものだと思います。

 これを私の冒頭の発言とさせていただきます(拍手)。

 田中 ありがとうございました。

 では、続きまして、KDDI理事の村上さん、お願いいたします。


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