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村上 急な質問ですから、的確な答えかどうか、あまり自信はないんですが、二つほど。先ほど徳田先生もおっしゃったんですが、これからコンテクスト・アウェアネスという、いろんな状況をいい意味で取得する。例えば、コンピューターが我々のところに100億個とか1000億個あって、そこから皆さん一人ひとり、私ども一人ひとりの状況をちゃんと把握する。もちろん、風邪を引いているとか、いろんな状況を把握して、それをネットワークを通じて、そこで状況を判断して、またフィードバックするというのを、例えば、1秒ぐらいの処理速度でやらなければだめだという技術的な認識を持っています。1日かかってやったってしようがないですから。 では、それに当たって、どんな技術が必要なんだろうか。コンテクスト・アウェアネスって、逆に言うと何なんだろうかというので、これから、多分、技術屋さんたちがほんとうにいろんな努力をして進むと思います。その辺のまだ見えていないところがこれからたくさんあるというのを、やっぱり解決、あるいは整理していかなければだめだというのが一つあります。 それは、私、技術屋として個人的な疑問なんですが、もう一つ、会社の人間として言えば、実は、通信の技術の変化というのはものすごく早いんです。例えば、皆さん、昔の固定電話なんて、もうほとんど使わなくなっているとか、極端に言うと、一つのピークがあると、大体それは10年ぐらいしか続かないんですね。きょう蝶野さんがおっしゃっていたADSLも、ピークがあってすぐ落ちた。で、今、携帯がピークか、もしかしたらピークを過ぎたかもしれない。 ということで、もう私がそれを心配する年齢ではないんですが、やっぱり今の携帯の文化といいますか、勢いですね。次に、何が来るんだろうか。それを非常に興味を持っていますし、それを考えることが、これから我々、特に会社の人間、KDDIの人間にとっては重要なのではないか。解決するというよりも、やっぱりこれからのことを予測して、いろんな判断をするというのが非常に重要になってきているのではないか。それがわかれば、私は、技術というのは、結構後からついてくるような気がしております。 田中 ありがとうございます。 順番に、今度は徳田先生。 徳田 どこをブレークできるか。これは、多分、いろんな国が、最近いろんな本も出てきまして、地球は丸くない、実は地球はフラットだ、もうあらゆるものが瞬時に、でこぼこなしに伝わっていって、先ほどのスケールアウトもそうなんですが、いろんなソリューションが世界中で使われるようになる。ちなみに、私、数日前、北京で「21世紀の計算機科学」という、マイクロソフトリサーチが主催している会議に出ていたんですが、5000人の中国の大学生が来ていまして、いろいろ会議に参加していたんです。 一つは、先ほどレギュレーション(規制)という言葉が出てきましたが、ある意味、我々自身がレギュレーションを決めているんですよね。ですから、我々のコミュニティーの力というか、携帯を使おうが、PCを使おうがいいんですが、実際の実空間でのコミュニティーの力というのは、実は携帯を使ったり、PC、インターネットを使うとさらに強力になると思っていまして、やはりそういうパワフルになったコミュニティーができるかどうかというのが、一つのカギかなと思っています。 もう一つは、こういう情報社会で流れている情報そのものの信憑性とか、人に対する信頼。これは、いろんなツールができてきているんですが、やはり実空間だと、あそこの家は何かおかしいとか、いつも空き家みたいになっているとか、いろいろ探知しているわけですが、情報ネットワーク上を流れてくる情報の信憑性とか信頼性というのが、もちろん、例えば新聞というメディアはものすごく編集された情報が流れてくるわけです。 ところが、今のインターネットは、個人が新聞社と同じぐらいパワフルなものをぼんぼん外に投げられて、かつ、ブログや何かで情報が偏食されて、好きな人同士のところをまた加速して流れていくわけです。ですから、自分たちがバランスよく情報を見るとか、何が信憑性のある、信頼できるものか。ネットワーク上にいるその人の信頼性というのはどう担保されているか。そこら辺がかなり、我々の生活空間が、今までのリアル空間と情報空間に広がって、2倍以上に広がったと思うんですね。 その中で、リアルのときはうまくいっていたのが、ネットの中だとうまくいかないものがたくさんあるわけです。そこをやはり解決できる、我々自身の力がどのくらいリテラシー(活用能力)が上がっていくかというところだと思うんですが。
田中 ありがとうございます。 ソタマーさん、いかがでしょうか。 ソタマー 可能性、あるいはその課題としての二つの例を上げたいと思います。 今まで皆さんのご意見をうかがいまして、新しい技術を実現していくためには、まだ完全な突破口が開かれていないのだと思います。学習の世界で、フィンランドは、若者を教育するという意味ではすぐれていると思います。技能や知識を与えるという面ではすぐれていると思いますが、先進技術を活用して、新しい学習方法を生み出すということでは成功していません。常に新しい技術ができれば、新しい知識が必要になります。どうやって技術を活用して、教育の場での革新をサポートしていくのか、学習をサポートするのか、それが一つのチャレンジであり可能性であり、また課題だと思っています。 もう一つ、これはもう言及されていますが、オープン・イノベーション・システムを生み出していくということです。MIT教授のエリック・フォン・ヒッペル(Eric von Hippel)が、ウィキペディアやリナックスのような民主的なイノベーション・システムといっていますが、コミュニティーの力、個人の力を表出させるということです。その意味では、社会革新ということも言えると思います。これらは二つの可能性のよい例だと思いますが、まだ十分実質的な革新、社会あるいは学習という意味では突破口を開くに至っていないと思います。 田中 今の皆さんのご意見に、もし付け加えることがありましたら、どうぞ。 徳田 私、先ほど聞いていて、オープン・ソサエティー、フィンランドの方たちの、オープン・アティチュード(attitude:姿勢)ですか、これはやはりぜひ我々もそうあってほしいと思うんですが、なかなか難しい。そのオープン・アティチュード、オープン・ソサエティーに社会を進化させていく原動力はどこにあるんでしょうか。
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