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朝日新聞フォーラム 日中学生討論「隣人と語る明日」
【識者討論】1:パネリスト冒頭発言 山本一太氏(自民党参院議員)

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山本一太氏

●経済的にはすでに相互依存関係にある

 山本 私はちょっと遅れて来たんで、学生の皆さんの議論を全部は聞けなかったんですが、国分先生が昔、卓球をやってて、中国に興味を持ったきっかけがピンポンだったということを知っただけでも、きょうは来たかいがあったかなと思っています。

 実は私、結構スポーツ研究家で、昔のスポーツの歴史に詳しいんです。きょうは私の事務所でインターンをやっている韓国人の学生、三代目なんですけれども、彼女を同行させたんですが、スウェーデン人のインターンもいまして、彼にステンマルクの話をして、彼を感銘させた。ステンマルクというのは有名なスキーヤーなんですが。

 そんなことで、実はスポーツについて、結構、歴史は詳しいんですが、国分先生が卓球を始めた頃、中国にはどういうスターがいたかなと思って、さっきずっと考えていたんです。荘則棟だなと。3年連続ぐらいで、世界選手権をとった前陣速攻、荘則棟と有名な選手がいて、おそらくその時代じゃないかなと考えながら、皆さんの話をもっと聞かなきゃいけなかったんですが、荘則棟のことをずっと考えていました。

 ここに来てみたら、中国の学生の方々がずっとおられて、あそこにお名前と出身大学が映し出されていたんですが、清華大学というのを見て、去年の思い出が甦ってきました。

 私は3年前に、某ラジオ番組のパーソナリティーをやりながら、政治セミナーというのを主催しまして、そのときに、「私が総理になったなら」というセミナーをラジオを使ってやったことがありました。与野党の、主に自民党と民主党ですけれども、若手議員を一人ひとり呼んで、国家ビジョンを聞くというセミナーだったんですけれども、それが中国語に翻訳されたんです。

 その本のキャンペーンも兼ねて、実は清華大学に、去年、行ってきました。講演してきました。清華大学に行ってセミナールームに入ったら、50〜60人が集まっていて、結構、日中関係では有名な大学の先生とか、清華大学のもちろん学生の方々もおられたんですけれども、2時間ぐらい、そこで議論したんですが、もう1対35ぐらいでした。「朝まで生テレビ」、50倍みたいな感じで、私以外は全部日本に批判的というか、ちょうど小泉総理の靖国参拝の問題があったものですから、出てくる質問は日本の有事法制と、それから、憲法9条改正問題と、総理の靖国参拝ということで、私は最もピュアな小泉サポーターと呼ばれていますので、2時間、もうこの激論を皆さんに見せてあげたい。1対35、40ぐらいですね。ものすごい激論をやって、おそらく中国側はビデオにもおさめていたので、後で送ってもらおうかなとずっと思っているんですが、清華大学というとあの激論の場面が甦ってくるんです。

 何が言いたいかというと、いろんな議論をして、歴史認識の話から、小泉総理の参拝、有事法制、日本の安保理の常任理事国入りの問題も話が出ました。

 最後に、ある有名な清華大学の先生が立ち上がって、私にこういうふうに聞いたんです。もう相当激論して、相当気まずいというか激しい雰囲気になった後で、先生がこう聞かれました。山本さんは、政治家として、あの日中戦争はどういう戦争だったと思いますか、それをどうしても聞きたいと。あれは侵略戦争だったのか、それとも、帝国主義戦争だったのか、あなたの戦争観、日中戦争に対する歴史観を聞きたい、こういうふうにおっしゃったんです。

 とにかく私は中国側の、集まった学者の方々からも、対中強硬派に読まれてまして、相当保守的だと思われてた面もあります。対北朝鮮の日本の単独経済制裁法案を議員立法でつくったんですけど、そのこともあって、保守的と思っていたのかもしれません。しかし、私が日中戦争について、自分の思っていることを率直に話したら、その後、かなり、実は会場が和んで、議論がスムーズになったんですね。

 きょうは後で時間があればその話をしたいと思うんですが、私は実は日中関係、あまり心配していません。政治家として外交に関わってきて、これだけ日中関係が非常に緊張してうまくいっていないと言われてるにもかかわらず、何でこういうことを言うのかというと、理由はたった1つです。経済的に見れば、もう日中は相互依存関係がものすごく進化して、やはり中国という市場抜きに日本の経済は考えられない。中国側にとってもやっぱり日本は必要なんです。しかも中国は、また議論する場面があれば後でご説明したいと思いますが、かなり長い間にわたって、日本とアメリカを必要とする。これは経済的な面からいっても、かなり長い間、実は中国は日本のことが必要なんです。だから、私は日中関係は大きな構図でいうと大丈夫だと思っている。

 ただ、気をつけなければいけないことは幾つかあって、短く言いますが、1つは中国という国がどういう国なのかということを、この認識を間違えないこと。過大評価してもいけないし、過小評価してもいけない。2020年近くにはGDPが日本を越える。じゃあ、世界の経済超大国になるのか。1人当たりのGDPはおそらく60年、70年たっても日本に追いつかない。中国の実像というものはどういうところにあるのか、これをまずきちっと把握するということだと思います。

 これは中国側にとってもそうですけども、日本という国の実像というものをきちっとわかってもらうと、これがやっぱり一番大事だと思います。それから、もう一つはさっきの戦争観に関わることなんですが、国と国との信義を裏切らない。もっと言うならば、戦後の日中関係の基礎をひっくり返さない。いろんな意見があっていいんですけども、やはりサンフランシスコ講和条約をもって国際社会に復帰した、それをもとに日中関係ができている、この最低限の信義、これをひっくり返さなければ私は日中関係は大丈夫だろうと思うし、また、微力な政治家ではありますけども、日中関係について、そういう側面からきちっと、この日中を立て直していくように貢献したいと思います。

 最後に申し上げますが、文化交流は、大事だと思います。CSで「射チョウ英雄伝」とか結構見ています。でも、本当は中国のホームドラマが見たいんです。ああいう歴史ものを見ても、何かCGとかが出てきて、超人みたいな人ばっかり出てきて、「ヒーロー」みたいな世界だから、よく中国のことがわからない。「ヒーロー」を何回も見たし、「ラバーズ」も見たし、チャン・ツィイーも大好きなんですけど、中国のホームドラマ、中国の恋愛ドラマが見たい。

 このことだけ申し上げて、最初のプレゼンテーションにかえたいと思います。

 国分 何かもう最初とは思えないプレゼンでした。(笑)

 そうですよね。さっきチャン・ツィイーの話が出ましたけれど、あれで歴史ばっかり見ないでくださいって言われたんですけど、あれ、歴史じゃないですよね。人は飛ばなかったですよね、昔も。先ほど安斎さんが、むしろ、歴史の古い部分にいいところはたくさんあるというお話がちょっとありましたね。

 それでは、その次、竹内さんから、お願いします。


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