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朝日新聞フォーラム 日中学生討論「隣人と語る明日」 |
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艾勤径さん |
艾 今は、まだ特に問題というわけではありませんが、先生方のお話を聞いて、私は2つのことを考えました。以前、国と国の問題について話しをしたときに、その先生は、1つの国を評価する時に、必ず3つのレベルから考えるべきであると言いました。1つは政治、その次は人民、国民、3番目は芸術。この3つから考えるべきである、評価すべきであると。それは、それぞれに独特なものがある。こういうふうに考えていくと、割合、公平に国を評価することができる。
先ほど山本先生のお話の中で、必ずしもすべての利益が一致するわけではないと言われました。確かに、国と国の間では利益が一致するということはあり得ないと思います。
ただ、私のクラスでいえば、クラスの人たちは一緒にいるわけですが、何かしようとする時、友達同士でいろいろな衝突、矛盾が起きます。国と国の間も確かにそうだと思います。これは山本先生の意見に賛成です。
先ほど竹内先生のお話でも、中日のWin・Winの関係ですが、やはりこの双方には必ずしも一致しない利益というものが存在すると。ですから、このWin・Winの角度から発展を促していかなければならないと思います。
また、中国の反日デモの問題がありました。それについて、先生や学生たちと一緒に討論しました。そのデモでは日本製品のボイコットということが提唱されました。このボイコット問題は、日本にとって、企業にとっては大変不利です。しかし、中国にとってもやはり不利なのです。
また、中国には多くの日本の企業があるわけです。100%出資、あるいは合弁など、いろいろな日本の企業があります。大連、青島、江蘇省、浙江省など、いろいろなところにあります。それがもし全部ボイコットするとしたら、倒産するおそれだってあるわけです。また、この工場では中国の人たちが働いているわけで、彼らにとっても不利です。
客観的に見れば、日本が中国で企業をやっているということは、中国にとって援助であると思います。また、就業を促しているということにもなります。ですから、このWin・Winの関係ということを考えた時に、中日関係は友好的で、それによって経済を推進していくことができると思います。今、中国では経済建設ということを強調しています。私たちは、経済面の協力、交流というものを深めていかなければならないと思います。
国分 ありがとうございました。
それでは、ほかに。まず、中国側からいきましょう。
●日中文化を対比させ、世界に紹介する
張 中国が世界でどのような影響を与えるか。私の考え方を申し上げます。
まず、新華社が発行している雑誌を読んだんですが、その中でソフトパワーの話がありました。それによると、中国は、今、ハードパワーは発展しているが、ソフトパワーの面では、それにふさわしいところにいっていないということでした。
私は子供のころに日本に住んでいましたが、そのころ日本で見た広告があります。中国語でその広告を言えないので、日本語で言いたいと思います。
シュワルツネッガーさんが出演しているコマーシャルで、大統領選挙に出馬した人が一般の市民に向かってこう演説していたんです。「私が当選したら、国外に輸出するのは、製品でもなく、技術でもなく、アメリカ・エンターテインメントだ」
たしか、スカイパーフェクTVのコマーシャルだったような気がします。どの会社のコマーシャルかはさておいて、このような内容が日本で流れているということに、僕は非常に興味を持ちました。ここから先は中国語に戻ります。
つまり、アメリカはハードパワー以上にソフトパワーという面では非常に発達しています。アメリカの映画などは世界の隅々まで行き渡っているわけです。中国が世界にどういう影響を与えるかということ、この中国の5000年の歴史について、世界の多くの人たちは知らないわけです。それを中国は世界に提供することができるわけです。5000年の歴史。
そして、こういう面では日中の協力ということが可能だと思います。文化では共通点がとても多いわけです。ほとんど源が同じです。ただ、日本は人文、地理、民族の特徴などから、中国とは非常に違った文化になってきています。この日中文化を対比させて、世界に紹介するということも可能かと思います。これは凌星光先生が言ったことについて、私の考えを申し上げました。
国分 立川さん。
●どうしたら日本を認めてもらえるのか
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立川仁美さん |
立川 こんにちは、立川です。
まず、私たち日本側のメンバーが集まった経緯として、反日デモをきっかけに中国に対して関心を持ったんですね。その中でフォーカスされたのが、一体どうやって日本側は中国に反省の姿勢を示していけばいいのだろうかというのがすごく問題になったんです。
それで、中国側も、一体、日本をいつになったら認めてくれるんだというのがありましたし、日本側も、先ほどもちょっと申し上げたんですが、せっかく民間の草の根レベルの交流がうまくいっていても、靖国問題だったり、あるいは政治家の方々の失言問題によって、実際に交流が取りやめになったりとか、あるいは経済的なつながりが一時停止になったりというようなこともあったと思うので、そういった面をうかがいたいと思いました。
それから、先ほど中国の虐殺記念館のことについて話がありましたが、私のおぼろげな記憶なんですが、私たちのメンバーの中の1人が記念館のホームページを見たらしいんですね。その中に青色で「日本から中国に対してはオフィシャルな謝罪がない」というようなことを強調して書いてあったらしいんですよ。
そのホームページをつくった人の意図というのはよくわからないんですが、中国で一般的に見て、政治家の方々の、例えば小泉首相が参拝に行くとか、それから、いろいろ日中問題に対して失言をするという以外に、どのようにしたら日本を認めてもらえるのかというんですか、そういうことを凌先生にうかがいたいと思います。
国分 わかりました。じゃあ、ここまでのところで。
●Win・Win以外に道はない
山本 すみません、大変勉強になるので、ずっといたいんですが、帰ってこいコールがいっぱいかかってきているので、これで。行く前に一言だけコメントさせていただきたいと思います。
艾さんがおっしゃったのは非常にいいお話だと思うんですが、Win・Winの道を見つけていかなければいけないじゃなくて、Win・Winの道を見つける以外の方法はないです。日中の経済の関係を考えれば、日本経済はやはり中国経済との関係をよくする以外、これから伸びていく可能性は非常に少ないです。これはものすごく大事な関係になっていて、日本の大きな自動車メーカーも中国でつくって、つくった車を北米、日本に、もう1回輸出するという、こういうビジネスモデルができている。
しかも、日中貿易はご存じのとおり、日米の貿易の量を凌駕しているし、中国側も日本のことが必要だし、今おっしゃったように雇用問題なんかもあって、日本企業、相当の数の中国の人たちの雇用を生み出しているということはあると思うんですね。
それからあと、この間、実は、ある某大手の電力会社の偉い人と食事をしたんですが、さっきどなたか留学生のおっしゃった中国の環境問題はひどい。特に今、中国はエネルギーをバンバン食べて大きくなっていますから、今年の石炭の消費量の4割ぐらいが全部中国だと。ものすごい勢いでエネルギーを消費している。このままいくと重慶とかは10年たったら人が住めなくなるんじゃないかと、彼は本当にそう言っていました。
実は黄砂などの環境問題なんかも、日本でかなり大きくなっているんですね。そこで彼が言っていたのは、中国は原子力発電を入れたがっている。原子力に切りかえたいと思っている。しかしながら、中国全体に原子力エネルギーを導入するまでのお金がない。これはやっぱり外資と協力としてやろうと思っている。そういう中で、中国の、いわゆる技術者、研究者は、日本の原子力技術にすごく注目している。
これは、もともとアメリカのウェスティンハウスから入れた技術なんですが、これを欲しがっている。今、中国はロシアとフランスとどこか、いろいろ混合して使っているんですが、ここら辺でも日本の協力は必要だろうと言っていたので、私は、もう既に日中不可分の状況になっていると思います。
●今、中国ほどソフトパワーのある国はない
それから、ソフトパワーの話なんですが、私はもちろん、日本という国のソフトパワーをすごく信じているし、日本という国のダイナミズムを信じているし、ちょっと調子悪かったけれども、小泉改革でようやくカムバックしてきましたから、これから新しく日本という国の魅力は戻ってくると思います。昔のように、また違った意味で。
だけど、中国のソフトパワー、すごくあると思いますよ。中国って、ものすごいソフトパワーを持った国だと思いますよ。アメリカへ行っても、ヨーロッパへ行っても、今の関心は中国だと。もちろん日本の文化には日本文化のすばらしい特徴があるんですが、東洋イコール中国みたいな、実はものすごいソフトパワーの潜在力というものがあるから、まあ、それはやり方にもよるんでしょうけれども、私は中国ほど今ソフトパワーのある国ってないんじゃないかなと、そんなふうに思っています。
あと、最後に一言だけ、もう帰るので言わせていただくと、戦争の話、さっき竹内前次官もおっしゃいましたけれども、日中関係の今の摩擦の原因というのは、歴史観じゃなくて、もっと違うところにある。国際関係におけるパワーゲームみたいなものが主なものだと言いましたが、だからといって、あの戦争に対する歴史観が軽んじられてはいけないと思っているんですね。
最後に、清華大学で言ったことを思い出して言うと、1つの戦争が侵略戦争だったかどうかというのは、実は決められないと思います。歴史で見ないと本当はわからないと思います。
もう1つは、東京裁判というのがあって、あの裁判はひどい裁判なんです。何回本を読んでも、本当にひどい裁判。あの東京裁判というものが非常によくない、ある意味で言うと不当な裁判だということは私も思っていますが、いろいろな理由があっても、まず、日本はサンフランシスコ講和条約で、あの裁判を認めて国際社会に復帰したということがあります。
それから、清華大学の時にも言ったんですが、1つの戦争が侵略かどうかというのを見つけるのはなかなか難しい。ケロッグ・ブリアンの不戦条約(1928年調印)じゃないけれども。でも、中国の人たちにとって、韓国の人たちにとって、日本のアジア諸国への軍事的進行は帝国主義戦争でも何でもなくて、明らかに侵略戦争ですから、日本の間違いで中国を侵略したとだけはやっぱり、きちっと思っていなきゃいけないと思うんです。
さっき、竹内前次官のほうからも、日本は戦後50年、民主主義の国としてここまでやってきた。それを認めてほしいという話があったんですが、政治家サイドで言うと、さっき日本の学生の方が質問したんですが、政治家の失言は恥ずかしいと思いますね。
一応、国と国が1つの歴史認識を共有してスタートしたのに、この間、某政務官が例の東京裁判のA級戦犯は戦犯じゃないと言った。この人、いい人です。悪い人じゃないです。でも、首にしないといけないんです。この人を好き嫌いじゃなくて、やっぱり総理は首にしなきゃいけない。だって、政府の高官なんだから。
そういうところだけ、さっき言った、私が言う信義をちゃんと政治が守っていれば、難しい問題があっても、きっと日中はお互いに必要だからうまくいくんじゃないかなと。そう思っております。
国分 いやいや、若い政治家にかかっていますから。ありがとうございました。
それでは、最後に朱さんの質問を受けて、お2人の先生方にお答えいただくと。
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