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朝日新聞シンポジウム「中国の台頭と日米同盟」 |
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加藤 会場からたくさんの質問をいただきました。そこで、各先生に1問ずつだけ質問させていただきたいと思います。
まず、ハムレ所長への質問です。日本と中国が経済的、政治的に、将来、より強く結びつくという方向に行くことをアメリカは嫌うんではないか、日中がより強く結びついていくことをアメリカは警戒し、嫌うんではないか。そういう疑問を持っておられるのですけれども、ハムレさんはどうお考えになりますかと。
ハムレ 経済協力という意味ですか。
加藤 経済、政治、両面において、日中がより今より緊密な関係を持つということをアメリカは嫌い、警戒するのではないかという質問です。
ハムレ まず、米国は日中間のより緊密な経済的つながりを歓迎すると思います。さらに、日本と中国のより良い政治的対話も米国にとって結構なことでしょう。
ただ思うに、米国を除け者にするような経済的協力については、われわれは少しばかり不安を感じています。そして、申し上げなければならないことは、かなりの数のアメリカ人は東アジア首脳会議から米国が除外されていることを面白くないと感じています。
米国は結局のところ、アジアの強国なのです。米国がこうした動きに参加するのが本当だと思います。そして、米国は安全保障の分野でのみアジアに参画することができ、経済の分野では外にいるべきだとアジアが考えるのならば、それは問題だと思います。それは米国にとっては受け入れることができません。
加藤 次に、高木先生に質問です。日本がアジア地域でリーダーシップをとっていくためにはいくつかの要素が必要だと考えますけれども、そのうち、政治的力、軍事的力、経済的力、この3つの力をどういうバランスでどういうふうに伸ばしていけば、日本がこの地域でリーダーシップをとると、より大きな役割を果たすということに資するのか。そういう質問ですけれども、いかがでしょうか。
高木 日本がこの地域でリーダーシップをとっていくべきだということはよく言われますし、私もそう思いますけれども、ただ、このリーダーシップという言葉の意味なんですが、日本が排他的に主導権を握って、すべて日本の意向に従って決めていくような状況をつくっていくということであれば、当然これは周辺諸国、たぶん、同盟国であるアメリカからさえ危険視されて、事実上、遂行不可能な目的になると思うんですね。
ですから、リーダーシップという言葉の意味をもう少し広い、「先駆的なアイデアをどんどん提起して新しい状況をつくっていく中心的な存在になる」ということであるならば、当然日本がリーダーシップをとっていくうえで、新しい状況をつくっていく、より望ましい状況をつくっていくうえでの勢力として、米国との関係は当然重要視されます。それから、中国とも協力しながらやっていくと。ASEAN諸国とも協力しながらやっていくということになるだろうと思うんですね。
そういうことを考えますと、基本的に軍事力というのは中心的な存在ではないだろうと思います。経済力はその裏打ちとして重要なんですが、やはり最も重要なのは政治的な構想力と意志だろうと思います。
そういうことから考えますと、この3つ以外に、もう1つ私は、日本が今後強化していくべき力の源泉として、いわゆるソフトパワーの問題があるんだろうと思います。やはり日本の構想力、文化というものをよりこれから強化して、この地域において積極的な役割を果たしていく上での資産とするという考え方が必要でありますし、そのためのさまざまな国内体制の整備というのをこれから日本はもっと進めていかなくてはならないだろうと思います。
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