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司会 ただ今よりパネルディスカッションを始めてまいります。はじめに、パネルディスカッションのモデレーターを紹介させていただきます。モデレーターは日本貿易振興機構アジア経済研究所長の藤田昌久がつとめてまいります。 藤田昌久(日本貿易振興機構アジア経済研究所長) どうも。ただ今ご紹介にあずかりました、JETROアジア経済研究所の藤田です。本日は大変お忙しい中本シンポジウムにご出席いただきまして、誠にありがとうございます。特に、最後まで熱心に残っていただき誠に感謝しております。残り時間も少なくなりましたが、これから1時間、パネルディスカッションの進行役を務めさせていただきます。 今更言うまでもありませんが、本日のシンポジウムの主題は、これから益々地域統合が進化するであろうアジアにおきまして、インドに大きく期待しているということであります。本日ここにご出席していただいている方々はもちろんのことですが、最近の中国のみならず、インドへの関心が非常に日本のみならず、世界的にも高まってきています。 ●インドへ高まる期待 日本の多国籍企業にとっては、インドを世界のバリュー・チェーンの中に入れなければ、企業の戦略は立たないという状態に陥っておりますし、ただ、一般には特にこのアカデミックにはかなり、知られていない面もありますが。しかし一般の方々も、例えば昨日の日経新聞を見てみますと、いわゆる日本の投資信託、これが特にBRICS、新興国、ブラジル、ロシア、インディア、チャイナ、これに特化したBRICs投信がありますが、これが今は日本で1番人気があるのは、この4カ国の中でインドです。1年前は大体40億の投資残高だったのが、この1年間で大体100倍以上増えて、今5,000億の投資残高があります。これはもうほとんど中国と同じです。そのぐらい日本におきますと、一般の方の場合は、投資の方々もインドに注目しているということです。 今までパネルディスカッションの方がいろいろデータを出していただきましたが、現代のところ、見る限りはそんなに大きな日本とインドの関係はないように見えますが、必ずしもそうではありません。物を輸出、輸入するだけが今のこの現代の経済のコネクションではありませんで、例えば20年前は、1980年代から、例えば日本の代表的企業でありますホンダ、またスズキ。これは20年、25年かけて、非常に地道な努力をされて、マーケットを開拓されておりまして。例えば自動車で見ますと、インドの市場で、日本の自動車がスズキとホンダを合わせて大体50%を超えています。それから2輪車でこのホンダと、ホンダの中心としまして、これも50%以上、インドの2輪車の市場を超えています。 これは一例でありますが、実際そういう多国籍企業を通じインドと日本との関係は非常に急速に高まってきています。今急速に、特に最近世界でも、先ほどインドへの関心が上昇してきた、と申しましたが、これは皆さんご存知のように、2003年10月の、ゴールドマン・サックスの「Dreaming with BRICs: The Path to 2050」という論文が非常に一般的な興味をかきたてたものと思われます。その論文では、非常に現状がこのまま続くことを仮定いたしまして、中国のGDPが2015年には日本のGDPを追い越す、さらには2030年代前半でインドのGDPも日本を追い落とす、ということを言っております。これは単純な概算でありまして、物事はそう一般的に、右肩上がりで進むわけではありません。従いまして、いろいろな長期的にはこのアップ・アンド・ダウンがあると思われます。 しかしながらこのバグワティ先生が基調講演でおっしゃいましたように、この中長期的には、中国のみならずインドも巨大なエコノミック・パワーに成長していくこと、これはほぼ間違いないと思われます。これはなぜか。例えば1960年代にソビエト・ユニオンが非常に急速に成長しはじめて、その後コラプスしました。ですが、それとは違うということだと思います。その1つの大きな違いは、インド大きな民主主義が非常に根付いた国だということです。それからもう1つは、資本市場も、十分発達しているということです。このデモクラシーと資本市場、これを両輪といたしまして、長期的にはインドも非常に発展するだろうということであります。 従いまして、短期的にはこのデモクラシーは、いろいろな改革で重荷にもなりますが、例えば中国では高速道路を今つくろうとしますと、トップが線を引けばいいわけで、後はデモリッションすればいい、ということになりますが、インドはそうはいかないです。そういう非常に、このデモクラシーの下では、そういう立ち退きから始めて時間が掛かりますが、しかし逆にそれが強さでありまして、結局これに支えられてインドは非常に長期的には伸びるであろうと期待することができます。 従いまして、長期的にはインド・中国・日本というバグワティさんの言葉を借りますと、giganticなエコノミック・パワーとこのフォー・タイガーズ、それとASEAN、この組み合わせで、非常にこの、エイジアが非常に大きな経済で、大きな存在感を増し、同時にこの世界の発展途上国、さらには世界全体の経済成長、さらには平和に貢献すると期待されることができると思います。 今から最後の残り時間、少なくなりましたが、このパネルディスカッション、今までのプレゼンテーションを補う形で、皆さんにそれぞれ補足的な説明、ないしほかの方がおっしゃったことに対してご意見伺いたいと思います。 ではパネルを始めたいと思います。私の計画では、6人のパネリストがいらっしゃいますので、最初に2ラウンド行いたいと思います。最初のラウンドでは、みなさん5分ずつ差し上げますので、追加コメントをいただきたいと思います。特にインドの、この先の発展に関する可能性、それから課題について挙げていただければと思います。今の成長を維持していくことができるのか、課題があるとすれば何なのか。どうやってそれを克服、解決していくのか、ということを話していただきます。 その後2順目では、アジアの国々がどうやって協力してインドの成長を進め、そしてインドとアジア各国の協力を進めていくことについて、ご意見をいただきたいと思います。そしてアジア全体の成長を、どのようにして保障していくかを考えていきたいと思います。もちろん世界平和も含めてです。 ということで、発表をいただいた順番に、まずバグワティ先生からお願いできますか。 ●日本とインドの協力の可能性 ジャクディッシュ・バグワティ(米コロンビア大学教授) もう言いたいことは全部言ってしまったので、中々難しいのですが。先生がおっしゃったことに沿って、一言あえて申し上げたいと思います。先生は民主主義について触れられました。私のペーパーの中で、実は触れなかったところがありまして、インドと日本は、組むのが当然である同士である、と言いました。というのは、日本も第2次世界大戦以来民主主義を育んできた。そしてインドは実は最も長い民主主義体制を途上国の中では誇ってきた、ということで、その共通項としてまず民主主義があるわけです。 ある意味で、日本も長い間、インドに本当は投資したかったのですが、問題があったということだと思います。すなわちインド側に受け入れの意識がなかったということだと思います。先ほどの発表でも申し上げたとおりです。でもこの状況は変わりつつあります。直接投資というのは中々インドの場合には難しい、まだ制約もありますが、日本側はそんなに問題はないと思います。というのは、第2次世界大戦で苦しんでいましたが、そもそも日本はインドにまでは討伐しませんでした。北東部の国境の辺りには来ました。ビルマのジャングルまでは日本軍は来ましたが、インドまではいらしていないので、第2次世界大戦の歴史問題というのは、インドに関してはないので、あまりその、そういったこと、例えば韓国や中国との関係のような問題はないと。そういう意味でも、やはり当然、自然な同士であると言えると思います。 それから投資とそのフォローアップのプロセスを考えますと、日本は基本的にインドでは歓迎されていることがありますし、インド自体も開放を進めている。で、別に過去に対して何の恨みも禍根もないと。そうしてインドとしては、左翼的な意見においては、帝国主義的な投資は心配していますが、少なくとも日本は帝国主義者と見られていない、ということで、西洋の国よりも有利かもしれない。という意味で、やはり日本とインドは、もう非常に自然な協力し合う組み合わせでありますし、大きな可能性を秘めていると思います。この先10年を考えました場合には、経済的な関係がうまくいけば、すなわちインドが開放を進め、日本がそういった投資を進めていただければ、私はかなり大きな貿易、そして投資の拡大が2国間の間で見られると思います。だからこそ、日本とインドは自然な同盟国同士となれると思っているわけです。追加するとすれば以上です。ありがとうございました。 藤田昌久(日本貿易振興機構アジア経済研究所長) バグワディ先生、どうもありがとうございます。非常に心強いご意見をいただきまして、ありがとうございます。アジア、少なくとも東アジアにおきましては、やはり日中が共にリーダーとなって、より協力をすることが必要だと思います。ですがやはり難しい問題もありまして、中々あまり近くはまだなれていないわけです。でも2国の関係というのは難しいのですが、例えばインドが登場すれば、あんまりこう、お互いのところばかりを見ないで、日中の関係ももっとうまくいく、ということもあるかもしれませんね。では次のカラス先生お願いします。
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