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ブロードバンド・ユビキタス環境の実現とコミュニケーションの変化

― ブロードバンドシンポジウム2004 ―



パネリスト
和才博美さん
(NTT副社長)
飯田桂子さん
(ジグノシステムジャパン社長)
中村伊知哉さん
(スタンフォード日本センター研究所長)
コーディネーター 原淳二郎 (朝日新聞編集委員) 


どこまで環境すすんだか――「『五感通信』を研究中」「新しい価値生む場に」

 ブロードバンドシンポも今年で3回目。今回はコミュニケーションの進化というテーマで進めます。

和才
 インターネットを使うお客さまは既に日本で1億人を超している。固定のインターネットと携帯電話のiモードがダブルカウントされているが、内訳を見ると、固定系では3300万人、iモードに代表される移動系でもう6800万人、このなかでブロードバンド利用者が、1400万人になっている。さらに、テレビ電話ができるFOMAも200万人を超えたから、ブロードバンドアクセスという意味では、日本では1600万人ぐらいになっている。

 ブロードバンドって一体何なんだという議論があるが、私どもは、双方向の映像コミュニケーション、テレビ電話、テレビ会議的な利用法だと思っている。人間本来のフェースツーフェースのコミュニケーションの復活、言い換えれば人間性復活の時代の到来ともとらえている。

 情報の伝達能力に関して、通信の世界でメラビアの法則というのがある。コミュニケーションのなかで、視覚、音声、文字がどういう割合を占めるのか、情報量の多さでは、視覚が情報伝達のうちの55%を占めている。音声で意思を伝える部分が38%、文字つまり手紙では7%ぐらいしか伝わらない。百聞は一見にしかずというが、まさに見えるということが威力を発揮するということだと思う。

 一人ひとりが距離や時間を越えて、映像コミュニケーションの世界で思いのまま向き合い、響き合うことができたらということで、この映像コミュニケーションの世界を私どもはレゾナント(共鳴)・コミュニケーション環境と呼んでいる。

 レゾナント環境のもとでは、人が電車、あるいは車に乗って移動して人に会うという機会が少なくて済む。したがって、時間的に余裕ができるという意味で、「可処分時間」が増える。当然エネルギー消費、ガソリン消費も減る。環境問題にも大いに役立つ。もちろん教育機会の均等にも。遠隔地にいると、なかなかいい先生に出合えないということがあるが、そういうものをネットを通じて解消できる。

 現在は、残念ながら映像と音声しか伝わらない。香りとか触感というものを何とか通信の世界で相手に伝えられないか。感覚を伝えるという意味で、五感通信といっているが、そういう研究もしている。

「つながり感通信」と私どもは言っているが、気配や動きをさりげなく伝えて、安心感、幸せ感をもたらす。つまり、ご両親がお住まいの家と、息子さんご家族の家、何となく気配とか雰囲気で、今、2人あそこにいるんだな、今、時間としては暇なんだな、ちょっと連絡してみようか、そういう雰囲気的なものを伝えられないか、という研究もしている。

 握手によって、自分の伝えたい意思、気持ちが相手に伝わるようなコミュニケーションの形もこれからの課題だ。

飯田
 インターネットにつながるiモードが出て5年。5年間で6800万台普及した。私どもはこうした利用者にさまざまな情報を有料で配信をしている。格闘技情報では、試合速報、選手のプロフィルや画像、それに関連商品の販売もしている。地方ではなかなか入手しにくい商品でも携帯から買える。

 こうしたサービスの特徴はアクセス時間帯が圧倒的に夜中の12時から午前2時ごろまで。それに配信サービスあてにものすごい数のメールがくること。受験シーズンだと「本番に弱いんです」とか「カツを入れて」とか、昔のFMラジオの深夜番組に似ている。

 それに携帯を使った表現力もあがっている。自分の写真にさまざまなキャラクターを加工しておじいちゃん、おばあちゃんに送っている。

 毎日会っているのに毎日メールのやりとりをする。毎日メールしないと友達じゃないという勢いだ。こうしたビジュアルなコミュニケーションは面倒くさいという人もいるが、「今日も元気だよ」とか、映像でコミュニケーションすることが必須の社会になるのではないか。

中村
 10年前、インターネットは情報ハイウエーと呼んでいた。何かを運ぶ道路という認識だった。一昨年くらいからインターネットは姿を変えた。道から広場になった。みながいろいろな店を出し、バザールになってきた。情報を共有し、交換して新しい価値を生む場になったわけで、インターネットはこれから本領を発揮するのだと思う。

 最近の小学生の女の子。みな化粧品セットを持っていて、髪の毛もほおも唇もぴかぴかになって変身して飛び出してくる。それにみなカメラ付き携帯を持っている。お互い自分たちだけが解読できる文字を使って交信している。文字離れではなく、自分で文字を作っている。考えてみれば、1000年前、平安の女性たちは仮名文字を作って当時の世界文明をリードしていたわけだが、いまの平成女性たちはギャル文字を作って世界の文明をリードしているのかもしれない。

 マンガにしろアニメにしろ、いま世界的に日本の文化がクールだなんていわれている。いま急にかっこよくなったわけではなく、アナログの1000年間日本が培ってきた文化や産業が、デジタルで世界に流通し、再発見されているということではないか。問題はこれからの1000年間、日本はどうやってかっこよくあり続けるかではないか。そういう時代を担うのはデジタルで育った子どもたちであろうと思い、子どもたちが自分たちでデジタルコンテンツを作り、ブロードバンドで発信する運動を進めるキャンバスという名前のNPOを設立した。

 自分でストーリーを考え、粘土でキャラクターをこねて作って、撮影して編集して世界に向けて発信することをやらせたら、驚くばかりの芸当を見せてくれる。情報を自分で作ることは大事だが、あふれる情報の中から、どう選んで、どう表現するか、も大事だ。そういう編集力を養っていきたい。

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